自分を選ぶ!
Choose yourself!
人は自己イメージに従って行動する。
「できる」と思っている生徒は、できるように行動するし、「できない」と思っている生徒は、できないように行動してしまう。
だから、最初から「自分はできる」と決めて、あらゆることに取り組めばいいのだが、うまくいかない生徒も多いだろう。
「できる・できない」は、「積極的態度・消極的態度」といいかえてもいい。積極的態度で取り組むと、できるようになるし、消極的態度で取り組むと、なかなかできるようにならない。
君の態度が「積極的か・消極的か」ということは、君の人生を左右する本質的な問題である。
では、なにが君を積極的にし、なにが君を消極的にするのだろう?
答えは、君自身の選択だ。君が積極的な自分を選べば、積極的態度になり、君が消極的な自分を選べば、消極的態度になる。
君は、君自身が選んだ自己イメージどおりの君なのだ。
たとえば、有名な「ルビンの壺」の図柄を見てみよう。
最初はたんなる白黒の図柄である。しかし、見ているうちに「壺」を見た君は、この図柄から「壺」というイメージを選んだのであり、「向き合う人たち」を見た君は、「向き合う人たち」というイメージを選んだのである。
つぎの絵は、どうだろう。「老婆」を見た君は、「老婆」を選んだのであり、「若い女性」を見た君は、「若い女性」を選んだのである。専門的には「ゲシュタルト」というけれど、君の頭の中でつくられたイメージ(意味のある全体)が「老婆」になり、「若い女性」になる。そして、イメージを選択するのは、君だ。
これは視覚の例であるけれど、人はあらゆる現象に対して同じことをおこなう。
だから、君という複雑な存在に対して、君はいろいろな自分を選択して思い描くことができる。本来、君は積極的でも消極的でもない。そのままの君だ。
ところが、君は、自分のことを積極的だと思ったり、消極的だと思ったりする。つまり、そのままの君の中から、積極的な自分を選んだり、消極的な自分を選んだりしている。
そうだとしたら、自分の目標を達成したい君が実行することは、「積極的態度の自分」を選ぶことだ。積極的態度で「できる」と信じて取り組むならば、たいていのことはできる。
しかし、長年の習慣で、どうしても「消極的態度の自分」を選んでしまうようなら、「積極的態度の自分」を自然に選ぶようになるまで、自分を訓練しなければならない。
具体的には、君が「できるようになりたい」と願っているたくさんのことのうち、すぐ目の前の「いま、できないこと」を意識して、できるようにする。すると、「できること」が君に一つ加わる。これをしばらくのあいだ、くりかえしていると、君の潜在意識に「できる」という事実が積み重なっていく。小さな「できる」の積み重ねが、やがて大きな変化を起こす。君は、いつでも「できる自分」を選ぶようになる。
自分の目標を達成するために、新学年の学習に積極的態度で取り組んでいこう。
学院長 筒井保明