目標に向かって、これまでの限界を超えていこう!

You Have No Limits.

 冬期講習のパンフレットの表紙に、「いま、自分に何ができるのか。目標に向かって、これまでの限界を超えていこう!」という標題を掲げた。各期の講習のパンフレットの標題を考えるとき、いつも生徒たちを思い浮かべる。そして、その生徒たちの言動を思い出しながら、「こうあってほしいなあ」というイメージに合わせて、ことばを決める。今回のテーマは、「自分の限界」だ。
 さて、君の限界は、だれがつくっているのだろうか。
 答えをいえば、君の限界は君自身がつくっている。もちろん、君だけではなく、周りの人たちも君の限界をつくっている。「君には無理だよ」とか「もっと現実を見なさい」とか「あきらめたほうがいい」とか、とかく人は自分の思考の範囲内で判断するので、どうしても否定的なことをいう。大人は、君の可能性を制限してしまうことが多い。
 でも、君は、未来に向かって成長する存在だ。現状を維持するために生きるわけではない。だから、未来にどんな大きな目標を持ってもいい。自分の目標を達成するために、「いま、自分に何ができるのか」と問いかけて、実行に移すことが必要なのだ。
 もちろん、目標は、一つではない。人は、いくつもの目標を持つ。なぜなら、人は内から外に向かって生きる存在であり、自己と他者の関わりのなかでさまざまな目標が生まれるはずだからである。大きな目標もあれば、小さな目標もある。大きな目標は、細分化することができるし、小さな目標は大きく発展させることができる。
 たとえば、「薬学者になりたい」という一つの目標があるとする。この目標には、「副作用のない、難病に効果のある薬を発明したい」「病気に苦しむ人を助けたい」のような、もっと大きな目標があるだろうし、逆に、薬学者になるために、「まず大学の薬学部に合格したい」「薬学部に合格実績のある高校に入学したい」「その高校に入るために、現在の成績を改善したい」という小さな目標もあるだろう。さらに、人として、「人類に貢献して、人格を高めたい」「最大限の努力をして、人生を充実させたい」のような抽象的な目標もあるだろう。
 ものすごく抽象的にいえば、君自身が目標そのものなのだ。だから、小さな目標であっても、大きな目標であっても、君が目標を達成するために行うことのすべてが、君自身の存在である。
 「人は、自分が考えたとおりの人物になる」という格言がある。これは、「君は、君の目標どおりの人物になる」と言い換えてもいいだろう。
 なにも考えなければ、君は、いまの時点に停止することになる。
 なにか目標を持てば、君は、いまの時点から動くことになる。
 限界とは、そこで停止することである。そこで停止しなければ、限界はない。
 しっかり自分の目標を考えてみよう。君が本気で達成したいなら、君は、目標に向かって動き出すことができる。
 これまでの限界は、たんなる停止線にすぎない。
 さあ、目標に向かって、これまでの限界を超えていこう。

学院長 筒井保明