コンピューターは、計算機?命令するもの?

 スクラッチのブロック・パレットにあるそれぞれのブロックをスクリプト・ブロックと呼びます。
 スクリプトという言葉は、「言語で記述されたもの」という意味です。
 ですから、各スクリプト・ブロックには、「10歩動かす」とか「はしにあたったら、はねかえる」とか「1秒まつ」とか「もし◇なら」のように言語が記述されています。
 みなさんは、プログラミングやコーディングをとおして、AI(エーアイ・人工知能)の世界にも触れていますので、そもそも計算自体が人間の言語であるという話をしましょう。
 さて、ここにがあります。リンゴの数はいくつですか?
 「ひとつ」と答えた人もいれば、「いっこ」と答えた人もいれば、「いち」と答えた人もいるでしょう。君がアメリカ人なら、「One(ワン)」、フランス人なら、「Une(ユヌ)」ですね。
 おなじ「1」でもいろいろないいかたがあります。
 では、が70個あるとき、リンゴの数はいくつですか?
 「ななじゅう」と答えた人もいれば、「しちじゅう」と答えた人もいれば、「ななじゅっこ」と答えた人もいれば、「Seventy(セブンティ)」と答えたアメリカの少年もいるでしょう。ところが、フランスの少年は「Soixante-dix(スワサント・ディス)」と不思議な数え方をします。日本語にすると、「60と10」です。フランス人の場合、70は「60と10」、71は「60と11」、72は「60と12」・・・80は「4×20」・・・90は「4×20+10」と答えます。 でも、これはわたしたちが外国人であるので、このようにややこしく感じますが、フランス人にとって、70は「スワサント・ディス」という呼び方であり、80は「カートル・ヴァン」という呼び方であり、90は「カートル・ヴァン・ディス」という呼び方なのです。先祖代々、そう呼んできたということです。たとえば、の数を3とあらわしたとき、それぞれの国の人がそれぞれの言葉で呼ぶということです。つまり、数字は、言語であるということです。
 じっさい、5+1=6をみなさんは、ご・たす・いち・は・ろく、と読みますね。
 プログラミングの世界には、たくさんの数字が出てきます。ですから、プログラミングには数字という言語に強いことがもとめられます。みなさんは、ぜひ算数をしっかりと学習してください。
 ところで、パソコンは、パーソナル・コンピューターの略称です。コンピューターは、英語でcomputerです。語源は、computeで「数える、数え合わせる」という意味ですから、コンピューターは計算機です。ところが、わたしたちが使うコンピューターは、内部でものすごい計算をしているにはちがいないのですが、いろいろなソフトウエアが動きますから、たんなる計算機には思えません。
 フランス人は、コンピューター(計算機)と呼ぶには抵抗があったためでしょうか、わたしたちが使うコンピューターのことをオルディナトゥール(ordinateur)と呼びます。日本語にすると、「秩序をつくるもの、命令するもの、指図するもの」です。プログラミングは、その裏側でものすごい量の計算がおこなわれていて、その結果として、「動け」という命令でプロジェクトを動かします。
 コンピューターに対するフランス人の名づけ方もおもしろいですね。

学院長 筒井 保明

プログラミング能力検定の実施について

 12月7日(月)~13日(日)の期間、お通いの教室でプログラミング能力検定を実施いたします。
 ※各教室で検定日時が異なりますので、詳細につきましては教室にお問い合わせください。

 本検定は2024年の大学入学共通テスト(旧:センター入試)で「情報」が試験に追加されることを見越して、対応ができるように実施されます。ビジュアルプログラミング、テキストプログラミング、ともに単なるプログラミング技術だけでなくプログラミングの概念から体系的に問います。
 学習をしたり、スポーツをしたり、努力を重ねるためにはモチベーションが大切であるとよく言われています。学習であれば入試が大きな目標になるでしょうし、スポーツなら大会で優勝するためにツライ練習もがんばれます。プログラミング学習も同じです。毎日学習して、それまでできなかったプログラミングを習得するのは十分に楽しいことでしょう。しかしながら、つづけていくうちにマンネリになってしまうのは否めません。徐々に集中力も下がっていってしまいます。検定を受検することで、資格試験への合格を目標にできれば「こんなんじゃだめだ、がんばろう」と思える動機付けになるはずです。もちろん、学習をスピードアップしながら合格のニュースを聞いたときには大きな自信と、次へと向かう新たなモチベーションが生まれてくるでしょう。
 今回検定のレベルは3段階あり、レベル1はQUREOのチャプター1~10までが範囲となります。同様にレベル2がチャプター11~23、レベル3がチャプター24~43の内容を中心に出題されます。試験内容は動画をみて、正しいブロックが組まれているものを選択する4択問題で、合格基準は60%ということです。(レベル3は自分でブロックを組む問題が出題されます)
今回受検されない生徒さんも次回来年3月に実施予定です。次回まで費用は無料の予定ですので、参加をお待ちしております。

他のプログラミング検定との違い

  • 大学入試(2024年度大学入学共通テスト)への対応
  • 知識の定着度を測る(創造力・アイデア力よりも重視する)
  • 合格証だけでなく概念ごとに分析された詳細な成績表も返却
  • Scratchを使わないオンラインの検定
  • 受検会場数全国No.1(約1200会場 (株)プログラミング総合研究所調べ)
    ※新しい検定ではありますが、QUREO実施教場が多いため