いまの“学び”は、未来の“キミ”だ!
I'm studying now for my future!
春に新学期が始まって、夏、秋が過ぎ、とうとう冬になった。受験生にとっては、志望校合格にむけて、全力でとりくむ季節である。
あまりに時間の流れが速いので、君は、いささか驚いているかもしれない。英語では、文字どおり、Time flies so quickly.(時間はあっというまに飛んでいく)である。
時間の流れは、過去、現在、未来と、不可分につらなっているのだけれど、わたしたちが存在できるのは、いま、ここ(Be Here Now)だけだ。だから、時間は流れているのではなく、過去も未来も現在に内包されている、と考える人もいる。また、おなじ未来でも、“未来に向かう”ととらえる人もいれば、逆に“未来がやってくる”ととらえる人もいる。
わたしは、生きる姿勢として、“未来に向かう”と考えるほうだ。
さて、あせっている受験生にはちょっと厳しいかもしれないが、学習にかぎらず、ものごとを身につけるためには、予想以上に時間がかかる。最速最短が現代人の願いかもしれないが、どんなことでもできるようになるためには必要な時間がかかる。だからこそ、長期的に自分の目標を考えて、できるだけ早く目標にむかって取り組みを始めるべきなのだ。
数多くの成功者を分析した成功哲学では、「できるだけ早く目標を持ち、できるだけ早く取り組みを始めて、長く続けること」という鉄則が生まれている。
学習成果は、シグモイド曲線を描くようだ。いくつかの研究もあるが、個人差がかなり大きいので、おおよその経過として見るべきだろう。図を見ると、学習の最初はかなり低調なのだ。しばらく低空飛行が続き、やがて、あるタイミングで高く飛び立つ契機がくる。この契機をブレイクスルーポイントと呼ぶ人もいる。この契機を過ぎると、大きな成長が始まる。
たしかに、長年、学習指導を続けていると、「なるほど。学習成果はシグモイド曲線を描くな」と実感する。この契機(ブレイクスルーポイント)を迎えることができれば、みんな、必ずできるようになる。
ところが、学習を苦手とする生徒たちの多くが、この契機を迎える前に、学習をあきらめてしまうのだ!
学習でも、スポーツでも、芸術でも、ある程度の習得を必要とするものは、ほとんどシグモイド曲線を描くだろう。シグモイド曲線を念頭に置いておけば、どのように学んでいけばいいのか、わかる。できるだけ早く始めて、成長の契機が来るまで続けるのが、学習の秘訣だ。かりにスタートが遅れたとしても、成長の契機が来るまで続ければ、できるようになる。
人は、過去には戻れない。
だから、「いま、なにに取り組むか」が重要なのだ。
人は、未来にむかって、学んでいる。
君が未来の目標を考えたとき、いま、君が取り組むことがわかる。
取り組みを始めたら、成長の契機が来るまで、粘り強く続けよう!
山手学院 学院長 筒井 保明