自分の価値
Your Self-Worth

君は、自尊心を持っているだろうか。
文字どおり、「自分を尊重する気持ち」である。自尊心は、プライドでも、うぬぼれでも、独りよがりでもない。ただ、「自分を大事にすることができるかどうか」だ。
いうまでもなく、君は、自分を大事にしなければならない。自分を大事にする人が、自分の目標を達成する人である。
ところが、何人もの生徒たちと話していると、「あれ。自分を大事にしていないな」と感じることがある。
何時間も集中して学習していた事実に感心して、
「よくがんばった。家に帰ったら、お風呂に入って、リラックスしてから、ぐっすり眠るんだぞ」
と声をかけると、
「ぼくは家に帰ったら、ゲームをします」「ぼくはスマホをチェック」「わたしもスマホ」「わたしはユーチューブを見ます」
それぞれ笑顔で答えてくれる。
ときどき、「ぼくは宿題」「わたしは復習」という返事があるけれど、「ゲーム」「スマホ」「ユーチューブ」などが圧倒的に多い。
もちろん、怒りはしないが、やさしい口調で、
「今日、いままでの学習は、短期記憶として海馬に蓄えられている。家に帰って、リラックスして眠れば、その短期記憶が長期記憶として定着する。宿題や復習は、繰り返しになるから、問題ないけれど、ゲームやスマホやユーチューブは、新しい情報として、学習の定着の妨げになってしまう。せっかく何時間も学習したのに、もったいないじゃないか」
と諭すことになる。そして、どの生徒も理由はわかってくれるが、問題は、家に帰ったあと、かれらがゲームやスマホやユーチューブなどの誘惑に打ち克てるかどうか、ということだ。
何時間も学習したのは、自分の目標を達成するためだろう。自分の目標を本当に大事に考えているなら、誘惑に負けてはならない。しかし、人はそんなに強くない。保護者に協力してもらって、家庭でのゲームやスマホやパソコンの使用ルールを決めたり、保護者に預けたりすることが必要かもしれない。
まず、君は、自分の目標に対して、自分は目標に値する価値がある、と確信することだ。そうすれば、数々の誘惑を退けることができるようになる。自分の価値を自分で評価することを英語でセルフ・エスティーム(self-esteem)といい、いちばん近い意味の言葉が「自尊心」だ。自分を尊重することは、自分を高く評価することにほかならない。
自分を尊重できれば、君の自己イメージが高くなる。そして、自己イメージが高くなれば、君は自分の能力を発揮できる。学業でも、スポーツでも、芸術でも、自己イメージの高い人が成功している。なぜなら、目標の達成を邪魔する余計な誘惑に負けることがなくなるからだ。
君の価値は、ほかでもない、君自身が決めるのだ。英語で、I’m Worth It! わたしにはそれだけの価値がある。
自分と自分の目標を大事にしよう!
山手学院 学院長 筒井 保明
山手学院 50 周年。これまで、ホットラインや小冊子やイベントなどを通じて、学習方法や学習習慣のつくり方などをアドバイスし、みなさまとともに実践してきました。また、中学受験、高校受験、大学受験に関する情報や精細なデータに基づく入試分析などを発信し、受験校選択や受験学習に活用してきました。
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