君の未来のために学ぼう! 

Learn for your future!

わたしたちの空間と時間は、宇宙の誕生とともに生まれた。
 宇宙という言葉は、空間、時間、物質(情報)の総称だ。「宇」は「空間」、「宙」は「時間」を意味する。わたしたちは、宇宙(空間と時間)のなかで生きているし、宇宙が生んだ物質(情報)によってつくられている。つまり、わたしたち一人ひとりが宇宙のたまものだ。
 先月、上記のようなことを書いたら、かしこい小学生の男の子に、
「ぼくは、情報ですか?」
 と質問された。
「そうだよ。君は情報でできている。情報でできているし、新しい情報を取り込んでエネルギーにしている。いまの君の意識だって、記憶という情報でできている」
「じゃあ、学習は人をつくるってことですか?」
「そうだよ」  
 といったところで、お母さんが迎えに来られた。
 時間があれば、太陽も、地球も、わたしたちの身体も意識も、みんな情報でできている、という話をしたかった。なぜなら、未来を担う子どもたちに必要な知識だからだ。
 わたしたちの身体でいえば、100兆個といわれる細胞のなかにそれぞれ核があり、さらにそのなかにデオキシリボ核酸(DNA)があり、DNAには約10万個の遺伝情報(遺伝子)が書き込まれている。その情報(ヒトゲノム)にしたがって、わたしたちの身体を構成しているたんぱく質がつくられる。脳になったり、心臓になったり、肝臓になったり、胃になったり…
 では、それぞれのたんぱく質はなにでできているか?
アミノ酸だ。そして、各遺伝子の情報に基づくアミノ酸の結合順序がそれぞれのたんぱく質をつくっている。
 どこまでいっても、情報なのである。
 だから、遺伝子組み換え技術は遺伝子の情報の書き換えのことであるし、毒物や化学物質などで遺伝子が傷つくと、正しい情報が新しく生まれる細胞に伝わらずに異変が起き、病気になったりする。
 では、学習によって、電気信号・化学信号として脳に伝わって蓄えられた情報はどうなるのだろうか?
 人の意識は、記憶された情報でできている。
 「自分」という意識は、そのとき、意識された情報のまとまりである。
 たとえば、困難なときでも、君が「できる」という記憶をたくさん持っていれば、君は「できる自分」を意識できるだろう。もし君の記憶のなかに「できない」という記憶しかなかったとしたら、君は「できない自分」しか意識できない。君を決定しているのは、君の記憶なのだ。
 だから、小学生・中学生のときに、たくさんの「できる」を積み重ねておかなければならない。たくさんの「できる」の記憶があれば、君はいつでも「できる自分」を意識できるし、目標に向かって積極的に取り組むことができる。
 君がポジティブであるかネガティブであるかは、これまでの君の経験(経験も学習)がもとになっている。
 でも、過去は過去でしかない。目標は未来である。いま、君が学ぶのは、君の未来のためだ。

山手学院 学院長 筒井 保明

声を出して大きな数を数えよう!

 1,000,000,000,000という数字を数えるとき、みなさんはどうやって数えますか?
 一、十、百、千、万、十万、百万、千万、一億、十億、百億、千億、一兆と下から桁上がりに数えていって、1,000,000,000,000を「一兆」と答えるかもしれません。
 最近の大企業には兆を超える売り上げの会社もありますから、わたしたちは大きな桁に慣れておく必要があります。
 たとえば、住友電気工業株式会社の売上高は、3,107,027百万円です。
 3兆1千70億2千7百万円です。
 アラビア数字では、3桁ごとにカンマを打ちます。
 英語であれば、3桁ごとに読み方が変わりますので、カンマで区切られた数字を読むのはむずかしくありません。ところが、4桁ごとに読み方が変わる日本語では、カンマとズレますので、練習して読み慣れる必要があります。
 1 one ワン 一
 10 ten テン 十
 100 one hundred ワン・ハンドレッド 百
 1,000 one thousand ワン・サウザンド 千
 ここまではいいのですが、
 10,000 ten thousand テン・サウザンド 万
 英語では、,000はサウザンドのままですが、日本語では0,000で「万」と読みます。
 100,000 one hundred thousand ワン・ハンドレッド・サウザンド 十万
 英語では、,00はハンドレッド、,000はサウザンドのままですが、日本語では、0,000が万ですから、100,000は十万と読みます。
 1,000,000 one million ワン・ミリオン 百万
 英語では、,000,000はミリオン。
 1,000,000,000 one billion ワン・ビリオン 十億 日本語では、0が八個で億です。
 1,000,000,000,000 one trillion ワン・トリリオン 一兆
 3桁ごとに読み方が変わる英語と4桁ごとに読み方が変わる日本語ですが、3×4のトリリオンは、日本語でも4×3で「兆」と呼び名が変わりますので、おぼえやすいですね。
 1,000,000,000,000,000 one quadrillion ワン・クアドリリオン 千兆
 英語の場合、0が3個なら、サウザンド、0が6個なら、ミリオン、0が9個なら、ビリオンとおぼえていけばいいのです。
 ところが、日本語の場合、10,000は0が4個だから一万、100,000,000は0が8個だから一億、とおぼえなければなりません。でも、大きな数字でも、声を出して何回も読む練習をしておけば、だいじょうぶです。
 たとえば、36,985,247,856という数字があれば、数が八個の位置でのところが億ですから、369億8524万7856とすぐに数えられます。
 そろばんが上達するほど、あつかう数が大きくなっていきます。
 億、兆のような大きな数字は、声を出して読む練習をしておきましょう。

学院長 筒井保明

学院長あいさつ

かんたんなことから始めよう!
Start Simple!

 プログラミングの学習は、楽しいものです。「いやいやながら」とか「苦労して」とか、ネガティブな表現はプログラミング学習のものではありません。本来、どんな学習であっても、「楽しんで学ぶこと」が学習の王道です。そんなことあるものか!という声が聞こえてきそうですが、本当です。
 中国の偉人である孔子の言葉を集めた『論語 』という本の最初に「学んで、ときどき習う(復習する)ことは、とってもうれしいことだよね」と書いてあります。ここから学習という熟語ができたのです。ですから、学習は、うれしいことにちがいありません。
 わたしも指導者用のページでQUREOをプレイしながら、プログラミングの導入として、QUREO がとてもよくできているので感心します。わたしとしては、小学生のみなさんがQUREO を卒業した後、ぜひ英語をつかて、もっと広い世界で創造し、プレイしてほしいと願っています。
 プログラミングの概念自体は人類共通です。
 たとえば、英語で、「ストップ」といっても、日本語で「止まれ」といっても、フランス語で「アレテ」といっても、中国語で「停止(ティンヂィー)」といっても、言葉の表す概念はおなじですね。
 ただ、コンピュータ・サイエンスを生んで育てたのがアメリカですから、プログラミングの世界は英語が中心になるのです。
 さて、QUREO の最初のコーディング(プログラミング)は、「10歩動かす」です。まさしく初歩ですが、「かんたんなことから始める」はスクラッチの基本中の基本です。
 一つのプロジェクトの一連の流れをスクリプトといいます。スクリプトscriptは、映画や演劇であれば、脚本とか台本と呼ばれますが、プログラミングではスクリプトのままです。
 スクラッチの父とも呼べるMITのレズニック博士は、「かんたんなことから始める。これは当然のことのように思える。ところが、驚くべきことに、スクラッチ・プロジェクトをスタートするとき、いきなり、大きな複雑なスクリプトをつくる人たちがいる。一つ一つがどういう動きをするのか、見ようとさえしないのだ」
 といっています。
 さらに、博士は、
「わたしがスクラッチ・プロジェクトをつくる場合、わたしはいつも、かんたんなスクリプトで始める。わたしが望む動きをするかどうかを確認する。そして、徐々に追加し、追加しながら、新しいバージョンをテストし、改訂していく。ワークショップでも参加者におなじやり方で やるようにはげます。つまり、かんたんなことから始める。試してみる。そして、発展させ、改良する。スクラッチ・プロジェクトだけではなく、どんなプロジェクトでもおなじじゃないかな」(以上、『Lifelong Kindergarten』から引用)
 と話しています。
 QUREO も、とうぜん、おなじ方法になっています。初歩的なことをとても大切にしています。
 ランをクリックしたとき、オブジェクトが、君の望む動きをしているでしょうか。
 めんどうくさがらずに、各レッスンをしっかりクリアしていってください。
 やがて、大きな、複雑なスクリプトを実現することができるようになるでしょう。

学院長 筒井 保明

プログラミング的思考は教科書でどのように取り上げられているか

 コロナウィルスの影響で長らく小学校の授業が停滞していましたが、少しずつ通常の状態に戻りつつあります。学校での生活が普段どおりになり、本来の子どもたちの元気な姿が見られると思っております。
 さて周知のとおり、今年度からプログラミング教育が小学校での学習に取り入れられることになっています。ですが、お子さまの教科書を手に取っていただくと、「プログラミング」という教科はありません。プログラミング教育は、国語や算数、社会・理科(小学1・2年生は生活)、図工、音楽…といった各教科の中で、プログラミング的思考を取り入れるとしています。とすると、プログラミング的思考は教科書でどのように取り上げられているのか、昨年度までの教科書とどのようにちがっているのかが気になるところです。今一度確認したいことは、プログラミング的思考は、いわゆる「プログラミング」と想像するコードを入力してコンピュータを動かすというものではありません。(これは「コーディング」といいます)
 文部科学省はプログラミング的思考を「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」としています。
 したがって、以前の学習者は、プログラミング的思考を学習していないかと言われれば、明文化したものはありませんが、何となく学んでいるものなのです。
 ですから、前述のような問題に対しての最適解を見つけられ、対応でき、発展・応用させられるようにできれば、プログラミング的思考を習得しているといえます。
 とはいえ、見つけるきっかけや考え方は学ばないといけません。先ほど「何となく」学んだと述べましたが、今後は「何となく」ではダメなのです。
 プログラミング的思考は、算数や中学校以降で学習する数学と深い関係性があります。ですので、プログラミングは理系(算数や理科)の仲間といわれることが多いのですが、前述のプログラミング的思考の考え方をふりかえってみると、文系(国語や社会)でも十分に役に立ちますし、学習だけでなく生活面でも活かすことができるのです。
 話がずれてしまいましたが、教科書ではどのように取り扱っているのか、関係性の深い算数の教科書を確認してみました。
 例として新旧の小学5年生で学習する倍数と公倍数を見ていくと、キャラクターなどちがうところはありますが、学習する内容はほとんど変わりありません。ですが、今年度から使用されている教科書にはQRコードが載っています。「Dマーク」がついているページ内容の学習をインターネットを利用してできるようになりました。また、QUREO のようなビジュアルプログラミングを使って、倍数を求めさせています。
 次のコーナーにこの「倍数を求める」というScratch の課題も用意しましたので、ぜひ挑戦してみてください。QUREO を学習していただくことで、PCの利用をスムーズにし、このようなビジュアルプログラミングもとまどうことなく取り組むことができます。

著作権などの関係で教科書は掲載はできません。
詳しくは、東京書籍 新しい算数(https://tosho.proguru.jp/kobaisu/#/ )をご覧ください。