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2025/01/21 06:24配信

バックナンバー 1/21 音読の重要性(1)

山手学院こども教育研究所メルマガ
バックナンバー
2025年1月21日

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1/21 音読の重要性(1)
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全国学校図書館協議会が発表した「過去31年
分の5月1か月間の平均読書冊数の推移」の
グラフを見ると、2024年、小学生(4年生~
6年生)の平均読書冊数は過去最高の13.8冊
になっている。
2001年の平均読書冊数が6.2冊であるから、2
3年で2倍以上になった。
ちなみに中学生の平均読書冊数(1か月間)
も2001年の2.1冊から2024年の4.1冊に増えて
いる。(2023年は5.5冊)

2001年は、アメリカでジョージ・W・ブッシ
ュ大統領、日本で小泉純一首相が誕生した年
である。
ブッシュ大統領は、教育改革として「ノー・
チャイルド・レフト・ビハインド法」No
Child Left Behind Act(落ちこぼれをつく
らない法)という法案を成立させた。
Reading Aloud(音読)の重要性を強調し、
特に小学校教育における読解力の向上に力を
入れた政策で、音読を活用した「Reading
First」というプログラムが注目された。

この政策に影響されたのか、日本の小中学校
でも読書教育に力を入れるようになった。
この取り組みに効果があったことは、2001年
から2024年まで、平均読書冊数の右肩上がり
のグラフを見れば、確かである。
静岡大学の調査で、読書の増加は、国語の学
力を高めるだけでなく、算数・数学の学力も
高めることがわかっている。
読書は、学力の要なのだ。

ところで、言語習得に関して、学習か、獲得
か、という議論がある。
教授法であれば学習であり、ある言語の環境
に浸りきるイマージョン法であれば獲得であ
ろう。
言語習得という観点では、音読は、どちらか
といえば、言語の獲得である。
なぜなら、自分の声を発しながら、文脈の中
で言葉の意味を自分で理解し、その言葉を身
につけていくからだ。文章のメッセージを理
解したとき、言葉は獲得される。

文章の部分と全体をとらえ、言葉の意味を決
定する力が、理解力であり、読解力である。
おなじ言葉や一文であっても、文脈のなかで
言葉の意味や文の意味が異なることを理解で
きないと、文章を読解できない。
たとえば、「トムは犬だ」。
ボールを投げて、トムが走ってボールを咥え
て戻ってきたら、トムは動物としての「犬」
である。
スパイの疑いをかけられたトムが秘密書類を
奪って逃げたら、トムはスパイの比喩として
の「犬」である。

文章の音読によって、新しい言葉や言い回し
を文脈から理解できるようになる。
実際、自分で使える言葉は、自分の声を通し
て覚えた言葉である。
ブッシュ大統領の政策で、音読は読解力を高
める基本的な手段であった。
2001年に公開されたアメリカ映画『アイ・ア
ム・サム』(ショーン・ペン主役)では、読み
聞かせのできない父親が「養育能力がない」と
判断され、子どもが里親に出されてしまう。
当時、「読み聞かせ」「音読」は、それほど
重視された。
ともあれ、音読は、言語を獲得するための方
法として、重要な行動であることはまちがい
ない。

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1月の教育アドバイス
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学んでも考えなければ、わかってない。考え
ても学ばなければ、危ない。
Learning without thinking is useless.
Thinking without learning is dangerous.
(孔子・中国の思想家 紀元前551-479)

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