
SCHOOL DATA
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校【私立・共学】
住所:埼玉県入間市下藤沢981
電話:04-2962-3844
スクールバス(無料):川越駅、狭山市駅、入曽駅、箱根ヶ崎駅
あふれんばかりの情熱と
きめ細かな指導で
生徒たちの可能性を高める学校
今回は、入間市にある人気校、狭山ヶ丘高等学校・付属中学校を訪問し、渉外部長の渡邉圭輔先生にお話をうかがった。狭山ヶ丘高校は創立64年を迎えた共学の進学校で、平成25年には付属中学校も開校し中高一貫校となったことにより教育に厚みが増した。令和5年、令和6年には2年連続で東京大学の現役合格者を輩出するなど、進学実績の向上が目覚ましい。学業だけでなく、部活動もバレーボール部が令和6年度のインターハイや春の高校バレーに出場するなど文武両道だ。
校長の小川義男先生は、30年もの長きに渡って校長を務められ、90歳を超えられた現在もなお現役で、鋭くも優しいまなざしで生徒たちを見守る。小川校長はユーモアを交えながら愛情たっぷりに生徒と触れ合う方で、あふれんばかりの情熱、気概、バイタリティーをお持ちの方でもある。校長の前向きなお考えが教職員に行きわたり、生徒にも届いていることだろう。

今の狭山ヶ丘は、おそらく保護者世代の持つ過去のイメージとはかなり違った学校になっている。つまり、かなりハイレベルな進学校であるということだ。校舎も建て替えが完了し、以前とは全く違ったまるで大学のような外観になっている。最寄りの武蔵藤沢駅も平成20年にリニューアルされ、学校への道も歩道が広くなった。
また、スクールバスは朝ゼミに間に合う時間から、自習室が閉まる21時まで運行されるが、なんと無料だ。3年間通うことを考えるとスクールバスが無料というのは大きい。
自己観察教育
狭山ヶ丘の特徴のひとつに、創立者の近藤ちよ先生が確立した「自己観察教育」というものがある。これは、内観法と呼ばれる自分の心理過程をみずから観察・考察して意識的経験の知識を得ようとする心理学の研究方法のひとつからきている。これを基盤として、「黙想」・「対話教育」・「茶道教育」の3つの柱を構成している。
「黙想」…朝礼時や各授業の開始時、行事の開始時などに実施している。心を落ち着かせ、今自分が行うべきことについて冷静かつ深く考える。
「対話教育」…教師と生徒、生徒同士が常に慮る気持ちをもって心豊かに接することを意識している。対話のなかで、他者との相互理解を深めるだけでなく、自分自身との対話を通じて自己理解を深める。
「茶道教育」…茶室「悠久庵」にて、週1回茶道の授業を行い、和敬清寂の精神(和:お互いに心を開いて仲良くすること、敬:お互いに敬いあうこと、清:心の中を清らかにすること、寂:どんなときにも動じない心のこと)を体得することを目的としている。卒業時には、茶道裏千家初級許状が授与される。
こういった取り組みは、豊かな人間性を育むだけにとどまらず、学習姿勢の確立、学力の向上にもつながることだろう。
きめ細かい進学指導

高校はⅠ類からⅣ類までの計4コースを設置しており、高校生活で力を入れたいことや希望する進路に合わせて最適な指導が行われている。
ほとんどの生徒が大学進学を志望する狭山ヶ丘では、大学進学指導がきめ細かく充実している。3年間の高校生活を通して、進路についての理解を深めながら、志望校合格に向けた対策を行っていく。豊富なガイダンスやその学年に応じた進路指導などのきめ細かさには定評がある。
1年次は志望系統や志望大学群などを決定させていく。進路ガイダンスは各学期に1回ずつの計3回、類ごとに分かれて行われる。その他に文理選択ガイダンスもあり、年2回、文理選択を行う意義や選択上の注意点を各教科の視点を踏まえて詳細に指導する。狭山ヶ丘の総合的な探求の時間は1年次に行われ、グループを形成して調べ学習を行う。早い段階で社会課題などに触れることで、自分が興味のある学問分野や研究が明確になり、進路決定にも大いに生かされている。
2年次は第一志望の決定がコンセプトとなる。年3回の 進路ガイダンスに加え、進路特別指導として、大学に通う卒業生を招いての進路講演や受験を終えたばかりの高3生の講演を聞く。受験を経験して間もない高3生の話を聞くことで、成功例や反省点などを自分の学習に活かすだけでなく、モチベーションアップにもつながる。
3年次は第一志望合格を目標に、一人ひとりのニーズに応える数多くの進路指導・支援を行っている。学期ごとの類別進路ガイダンスに加え、各教科担当より高3の夏の学習法についてレクチャーを実施する。その他にも、推薦入試ガイダンスや大学入学共通テストガイダンスなど数多くのガイダンスが実施される。共通テストの本番が迫った時期には、予想問題を実際の時間割で行うトレーニングを行い、万全の状態で本番に臨む。その他にも、模擬試験や自校作成の校内学力テストを実施し、定期的な学習習熟度を測るとともに、出願校検討の参考とする。
学習支援と自習環境
狭山ヶ丘では、学習サポート体制が充実しており、生徒一人ひとりの学習ニーズに対応している。
週に2~3回行われる朝ゼミでは、国語、数学、英語の主要3教科を中心に、効率的な学習をサポートしている。放課後には、60~90分の放課後ゼミを実施しており、こちらではさまざまな講座が開講され、個々の学力や興味に応じた学びを提供している。
また、夏期講習や冬期講習も行われており、受験生にとっては集中的に学習できる貴重な機会となっている。これらの講習では、普段の授業で取り組みきれなかった内容や苦手分野を重点的に強化することができる。

自学自習を重視しているため自習室も大変充実しており、高校生用の自習室は130席もあり、夜9時まで開室している。中学生専用の自習室もあり、高校生に気を使うことなく安心して学習に集中できる。自習室は年間を通してほぼ休みなく開室しており、生徒は自分のペースで学習を進めることができる。また、夜9時まで自習室を利用する生徒のためのバスも運行している。
さらに、進路指導室には各大学の最新の過去問題が豊富に収集されている。受験生は過去問を使って、入試の傾向を把握することができる。また、過去に受験を経験した先輩たちが残した受験レポートも蓄積されており、大学や学部ごとの入試傾向を知ることができ、より効率的に演習を進めることが可能となっている。先生からの入試サポートだけでなく、先輩からの後押しがあるのが心強い。

部活動
狭山ヶ丘は部活動も盛んで、クラブ活動への加入率は生徒全体の約3/4に達しており、全員加入制ではないにもかかわらず、多くの生徒が勉強と両立しながら熱心に活動している。特に6つの強化クラブは顕著な成果を上げている。バレーボール部は令和6年度のインターハイに出場し、さらに春高バレーに初出場してベスト16になるなど、その実力を証明している。野球部も令和2年度の夏季埼玉県大会で見事優勝を果たした強豪だ。また、サッカー部は高卒Jリーガーを輩出するなど、プロの舞台にも進出する選手を輩出している。
狭山ヶ丘学園の総合グラウンドは、約40,000平方メートルの広大な敷地を誇り、夜間照明も完備されているため、日が落ちた後でも安心して練習を行うことができる環境が配備されている。
学校行事
狭山ヶ丘学園では、ベルーナドーム(西武球場)を貸し切って体育祭を開催する。バックスクリーンや音響設備を駆使した演出が施され、迫力満点のイベントとなっている。
また、「狭丘祭」と呼ばれる文化祭では、生徒たちがクラス展示や模擬店を行い、学校全体が盛り上がりをみせる。体育館では部活動の発表や、生徒会が企画するさまざまなイベントが実施され、充実した時間を過ごすことができる。
修学旅行は「海外の地に赴く」というコンセプトで行われており、コロナ禍の影響で一時的に国内旅行が実施されていたが、令和6年度からは海外旅行が再開された。今年度は「イギリス・フランスコース」と「シンガポールコース」の2つのコースが設定され、生徒たちが自分の希望する場所を選んで赴く、珍しいスタイルの修学旅行が行われた。
生徒の可能性を高める学校

伝統の自己観察教育、きめ細かな進学指導、活発な部活動、そしてなにより校長先生をはじめとする情熱あふれる教師陣。こういった魅力ある環境で様々な刺激を受け、生徒一人ひとりが可能性を最大限に高めることができる学校だ。ぜひ一度、狭山ヶ丘に足を運び実感していただきたい。
●取材班よりひとこと
[所沢西口校 室長 広瀬謙太郎]
今回の取材で、とても落ちついた雰囲気のある学校だと感じました。また、先生方も生徒一人ひとりをとても丁寧に指導している様子が分かり、これなら大切な山手学院の生徒を任せても大丈夫だと思いました。
●取材班よりひとこと
[藤沢校 室長 大場康平]
創立60年を超える伝統校の風格をもちつつも、地域の皆様のご理解を得られた細かな対応の出来る素晴らしい学校です。お話を聞いていてもその誠実さがとても伝わってきました。ぜひ一度足をお運び下さい。
