SCHOOL DATA
埼玉県立大宮高等学校【県立・共学校】
住所:埼玉県さいたま市大宮区天沼町2-323
電話:048-641-0931
アクセス:JR「さいたま新都心駅」東口 徒歩約10分
「チーム大宮」で100年先も埼玉県を牽引し続けていく名門校
今回は、さいたま市にある埼玉県立大宮高校に訪問し、教頭の下山先生にお話をうかがった。さいたま新都心駅から徒歩10分、大宮駅から徒歩20分の場所にあり、埼玉県一の大都市という立地ながらも、閑静な住宅街の中に門を構える。正門前には大きな木が立っており、歴史の深さを物語っている。大宮高校は来年で創立100周年を迎える。それにあたって、特設サイトを制作し、創立100周年記念事業に向けた活動を行っている。 大宮高校は言わずと知れた埼玉県公立高校の最難関の一つで、県立浦和、県立浦和第一女子と並んで、「埼玉県立御三家」と呼ばれることもある。特に理数科は県内の公立高校の中では、入試における合格難易度が最も高いといっていいだろう。

“1200人の先生”による学び合いの風土
大宮は65分授業、2学期制、隔週土曜日の授業などを行い、授業時間の確保を行っている。さらに、勉強の量だけでなく、質も優れている。生徒が学ぶだけでなく、学ぶ前の計画や学んだ後の復習などにも余念がない。また、大宮には学び合いの風土が根付いていると下山教頭はおっしゃった。学校の至るところに机と椅子が置かれた勉強スペースがあり、先生に教えてもらったり、生徒同士で勉強を教え合ったりと、学びを止めることがない。
大宮では対話を大切にしており、授業中に隣同士で意見を話し合ったり、グループワークなどを取り入れた授業を行ったりと、自らの考えを発する機会が多い。また、全校集会や学年集会などでも、生徒が周りと意見交換をすることがあるという。近年、主体的な学習や非認知能力が求められるようになってきたなかで、大宮には、これらを育む風土が根付いていることがわかる。
生徒たちは、それぞれがなにか人より好きであったり長けていたりするものを持っており、「大宮高校には“1200人”の先生がいる」と生徒自身が評するとのことだ。これは教員と先生を合わせた人数であり、この言葉からも生徒たちの学びへの意欲的な姿勢を見て取れる。

専門性の高い理数科
大宮高校の特徴のひとつに35年の歴史を誇る理数科の存在がある。理数科は3年間担任が変わらない1クラスで、将来理系の分野で活躍したい生徒たちの集団だ。理数科では専門性の高い理数系の授業が展開され、理数探究では研究や発表を行い、大学や最先端研究施設との連携行事も行われる。
理数科から普通科への変更もその逆もできないので、願書を出す段階で将来自分が理系の世界で活躍するイメージを固めておく必要がある。例年理数科の説明会や体験入学が開催されているので、興味のある生徒はホームページをチェックしておくといいだろう。定員制で、申込者数が定員を超えた場合は抽選となる。 理数科は県内最難関となるが、スライドで普通科に合格したとしても、普通科から医学部を目指すことは可能だし、合格者も出ている。

楽ではないが楽しい学校生活
「楽ではないが楽しい学校」。今では多くの高校で聞くようになった言葉だが、大宮では以前から使われており、ホームページの校長あいさつやパンフレットの卒業生からのメッセージでも、たびたび登場する。
大宮の授業は進度が速く、中学時代は授業内で完結できていた学習も予習復習が必要になり、勉強時間が多くなる。定期考査の難易度やクラスメイトの学力も、中学生のころとは比べ物にならないほどハイレベルとなり、中学時代は学年トップクラスの順位だった生徒も、今までに取ったこともない順位を取り愕然とすることもあるという。しかし、そのような環境の中で切磋琢磨することで、自らの限界だと考えていたレベルからもう一段高みに上ることができるようになる。
また、勉強だけでなく、部活も行事も全力で取り組むのか大宮のスタイルだ。部活動の加入率は95%にもなり、進学校の中では類を見ない数字である。その根底には、部活動は好きでやることであり、自分がやりたいからやる、毎日同じことを続けて頑張る、という意志の強さがある。勉強ひとつだけでなく、複数のことを両立できる強さを大宮の生徒は3年間の高校生活で身につける。大宮の部活動は、上位に食い込むことを活動目的のすべてとしているわけではなく、勉強との両輪というイメージであると下山教頭は語った。なかには結果を出している部活動もあり、棋道部は全国に毎年出場し、上位入賞することもある強豪だ。その他にも、昨年度の全国大会で5位という輝かしい成績を収めた英語部、県大会や関東大会に多くの選手が出場する陸上競技部など、優秀な結果を出している部活動もある。

“大高生”から“大高人”へ
大宮高校の生徒は、“大高生(おおこうせい)”と呼ばれることが多いが、やがて高校を卒業すると“大高人(おおこうじん)”と呼ばれるようになる。そんな“大高人”たちが、高校1年生に向けて総合的な探究の時間で授業を行うのが、「大高人ワークショップ」だ。各界の第一線で活躍するOB・OGが専門性を生かした授業をする。高校生はそのなかで、ふだんは接することのない人との関わりから、日常生活では見えないものを見出し、将来の進路選択に役立てていく。実際に卒業生との関わりをきっかけとして、就職先を決めた生徒もおり、この授業が生徒の方向性を定める確かなきっかけになっていることがわかる。 また、卒業生のかかわりは生徒だけではない。PTAが主催で保護者向けに行う「卒業生に学ぶ会」では、現役の大学生が高校生の保護者に向けて話を行う。まさに「チーム大宮」となって、生徒・保護者・卒業生が三位一体となって、目標に進んでいる。
進路指導
大宮の面談は年5回と多い。定期的な面談を重ねることで、丁寧な進路指導を実現している。そして、大宮の大学進学実績で際立つのが、現役での国公立大学合格者の多さだろう。カリキュラムが文系、理系ともに難関国立大学の入試科目に対応しており、学校全体に国公立大学を目指す意識が根付いている。ただし、むやみに国公立大学を目指させているわけではない。国公立大学は研究環境が良く、目指すべき価値がある。これが大宮の国公立大学に対する、進路指導の基軸となっている。 現役合格率は88%。これは公立の進学校では目を見張る結果だ。この結果は、普段の密度の濃い授業や学習指導、丁寧な進路指導の賜物だ。

実直なリーダーが育っていく土壌
下山教頭に大宮高校の生徒をひとことで表すとどんな生徒かという質問をしたところ、「真面目で、努力家で何事にも一生懸命な生徒が多いです。」という回答をいただいた。また、「確実に、地道に、着実に高いレベルに歩んでいる。」とし、大宮の生徒たちの実直で芯があるさまを語ってくださった。
さらに、大宮高校を目指す中学生に向けて、どんな生徒に大宮高校に入学してほしいかをうかがうと、「未来をつくるという志のある子に入ってほしいです。誰かに勧められて目指すのではなく、自分で選択して入ってほしいです。」とおっしゃった。それに続けて、「実際に学校を見て、偏差値だけでなく、校風で学校を選んでほしいです。埼玉県立高校御三家と言われる学校でも、大宮と浦和、浦和一女では、校風が違うので、実際に合うところを選んでください。」と加えた。その話をふまえた上で、「自らが一番輝けるところを選んでほしいです。自分の人生なので、自分で選んで選択をすることが大切です。」とまとめてくださった。 高校生という多感な時期に、見たり実際に触れたりしたものは、自己の形成に大きくかかわってくるのだろう。そんな、3年間の高校生活を送る場所を決める進路選択をするために、実際に大宮高校に足を運んで、自らが輝けるという思いを持ってもらいたい。

取材班よりひとこと
【志木校 長谷川光義】
互いに支え合いながら学ぶ大宮高校の生徒たちを知ることができました。楽ではないが楽しい学校生活を、卒業生や保護者のサポートを受けながら過ごす3年間で、トップリーダーを育成する仕組みを学びました。
【朝霞台校 藤田悠生】
生徒が自ら考えて行動し、生徒同士で学び合う風土が根付いている高校でした。卒業生とのつながりも強く、勉強面はもちろんのこと、キャリア教育においても大きな魅力のある高校です。ぜひ、高い志を持ち目指してみてください。
