大学入試 入学金二重払い問題について
大学入試における「入学金二重払い問題」は、近年大きな社会的関心を集めています。
入学金二重払いとは、すべり止めとして合格した私立大学に入学手続きのための入学金を納めた後、第一志望校に合格してそちらに進学することで、実際には入学しない大学の入学金が返ってこないまま、複数校分の入学金を負担する状況を指します。
私立大学の入学金は平均で20万円を超えるとされ、家計にとって無視できない金額を「結果として支払わなければならない」ケースが多数生じています。
なぜ二重払いが起きるのか
主な原因は、大学ごとに入試日程・合格発表日・入学手続き締切がバラバラで、第二志望以下の大学の入学金納付期限が第一志望校の合格発表より先に来ることです。

繰り上げ合格(補欠合格)が絡むと負担はさらに複雑になります。
一度ある大学に入学金を納めた後、別の大学に繰り上げ合格・追加合格した場合、先に支払った大学の入学金は基本的に返還されないため、二重どころか三重の入学金負担が発生するリスクも指摘されています。
法的扱いと最高裁判決
2006年の最高裁判決では、「一度納められた入学金は、入学辞退があっても大学側に返還義務はない」と判断されました。
一方で、授業料や施設費などについては、入学しない場合にまで返還しないとする規定は無効とされ、多くの私立大学が入学辞退者に対し授業料等は返還する運用に改めていますが、入学金のみは依然として返還されない仕組みが続いています。
文部科学省の通知と私大側の動き
こうした状況を受け、文部科学省は2025年6月に、私立大学に対して入学金の金額抑制や、入学しない合格者の入学金負担を軽減する措置を講じるよう通知しました。
通知では、入学金の分割徴収(ごく一部のみ先に納付し、残額は最終進学先決定後に支払う方式)や、早期の入学辞退者への一部返還制度などが具体的な方策として例示されています。
負担軽減策を導入する大学の事例
「二重払い」問題の解決を訴える有志グループが11月、都内の私立大120校の26年度入試募集要項を調べたました。結果としては、返還や納期延期といった負担軽減制度について記載があったのは4校のみでした。
受験生・保護者ができる対策
受験生側としては、併願パターンと日程を早めに整理し、「第一志望の合否発表日」と「併願校の入学金締切日」の関係を必ず確認しておくことが重要です。
加えて、各大学の募集要項や入学手続要項に記載された「入学金の返還条件」や「国公立合格時の特例」の有無を事前にチェックし、二重払いリスクの少ない日程・大学選びを心掛けることが求められます。
山手学院高校部の取り組み
入試制度は年々複雑化しており、合格の可能性だけでなく、経済的負担やスケジュール管理を含めた総合的な戦略が求められます。
山手学院では、定期的な面談を通じて、生徒一人ひとりの志望校合格に向けた学習指導はもちろん、受験計画や併願スケジュールの提案も行います。高校1・2年生の早い段階から計画を立て、親子で納得できる受験を迎えられるよう、私たちが徹底サポートしていきます。