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HOTLINE202506 学びの羅針盤 — 今日の一歩を、未来へ正しく導く—
本部より
2025/06/16
HOTLINE202506 学びの羅針盤 — 今日の一歩を、未来へ正しく導く—

雨音がくれる集中タイム

 6月、雨粒が窓をたたく音は退屈どころか、学習を後押しする天然のBGMです。雨のリズムには 1/f ゆらぎ と呼ばれる心拍と似たゆるやかな揺れがあり、脳をリラックスさせながら集中を引き上げる効果が確認されています。スマホの通知音より、梅雨空のノックに耳を預けるほうが、記憶が残りやすい。これは科学の小さな贈り物です。
 けれど集中を長く保つのは簡単ではありません。そこで取り入れたいのが 「25・5サイクル」。25 分だけ全力で取り組み、5 分で姿勢と環境をリセットする学習リズムです。ここで重要なのは、休憩を「何もしない時間」ではなく “脳のクーリングダウン” と位置づけること。立ち上がって肩甲骨を大きく回し、背中を伸ばして深呼吸すると、こり固まった肺が一気に開き、酸素が全身に巡ります。さらに、5 分の間に水分をとると血流が促進され、再び机に向かう頃には 前頭葉の血液量と活動レベルがリフレッシュされた状態になります。
 この30 分ワンセットを3回まわすと、ちょうど90 分。映画1本分の時間で、集中のピークを3回迎えられる計算です。雨音の “1/f ゆらぎ” と掛け合わせれば、脳はリラックスと覚醒を同時に保ちやすくなります。さらに効果を上げるコツは、25 分の最後に「暗唱1行」「図形のイメージ化」など “小さなアウトプット” を挟むこと。脳は直前に使われた情報を重要だと判断し、記憶の定着率がぐっと高まります。
雨音+25・5この “梅雨ブースト” を試すだけで、勉強効率は体感で一段も二段も跳ね上がるはずです。
 保護者の皆さまへ。梅雨どきは部屋の湿度が上がり、頭がぼんやりしがちです。換気をするだけで、学習継続時間が伸びるというデータがあります。ぜひ試してみてください。
 止まない雨はありません。でも、止むまでの時間を「待ち時間」にするか「伸び時間」にするかはあなた次第。雨音が作る静かな教室で、逆質問を重ね、25分の航路に舵を切る――六月の学びはきっと、曇り空を突き抜ける羅針盤になります。山手学院は、その羅針盤が示すどの方向にも、共に歩み続けます。

山手学院 学院長 下村 秀一

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