
2025年7月20日に参議院選挙が行われます。今回は参議院と参議院選挙について解説します。
参議院とは
参議院は、日本の国会のうちの一つで、もう一つは衆議院です。
参議院は「良識の府」とも呼ばれ、長期的・慎重な視点から政治をチェックする役割をもっています。
・定数(議員の人数の上限)…248人
・任期…6年(ただし、3年ごとに半数改選)
・選挙の頻度…3年ごとに選挙が行われる
・被選挙権(立候補できる年齢)…30歳以上
・有権者(投票できる人)…18歳以上の日本国民

参議院の選挙制度
参議院議員は、2つの方法で選ばれます。
① 選挙区選出(定数:148人)
全国を都道府県ごとに複数の選挙区に分け(鳥取県と島根県、徳島県と高知県はそれぞれ2県を合わせた選挙区)、それぞれの選挙区ごとに議員を選びます。
候補者の名前を書いて投票します。
② 比例代表選出(定数:100人)
全国を一つの大きな選挙区とし、政党名または候補者名を書いて投票します。
得票数に応じて政党ごとの議席数が決まり、政党があらかじめ決めた「名簿順位」などに応じて当選者が決まります。
投票率の問題
日本における若者の投票率の低さは、長年にわたって問題視されている政治課題の一つです。
例えば、2022年の参議院選挙の年代別投票率は以下のようになっています。
18~19歳…約36.5%
20代…約33%
30代…約45%
全体…約52%
若年層(特に20代以下)は、全世代の中で最も投票率が低い傾向にあります。
若者の低投票率がもたらす影響
(1)若者の声が政治に反映されにくくなる
高齢者層の投票率が高いため、政治家は若者よりも高齢者に向けた政策を重視するようになり、政治にかたよりが生じてしまいます。
(2)社会全体のバランスがとれなくなるおそれがある
先ほどの1の項目とも関連していますが、教育・雇用・環境など、若者に関係する政策が後回しにされる傾向が出てしまい、社会全体のバランスがとれなくなるおそれがあります。
このような問題が生じるため、政府などは投票率の改善に取り組んでいます。
投票率改善に向けた取り組み
・主権者教育:高校での政治教育を強化(例:模擬選挙の実施)
・期日前投票の促進:ショッピングモールや大学内などでの投票所設置
・若者向け政治情報の発信:SNSやYouTubeでの啓発活動
・18歳選挙権の導入(2016年):若者の政治参加を促進

