
SCHOOL DATA
埼玉県立所沢北高等学校【県立・共学校】
住所:埼玉県所沢市並木5-4
電話:04-2995-5115
アクセス:西武新宿線「新所沢駅」東口 徒歩約10分
高い志で高校生活の「したい」をすべて叶える3年間
今回は埼玉県西部を代表する共学の進学校である所沢北高校を訪問し、木村校長、深井教頭にお話をうかがった。所沢北高校は地域の方々から「所北(とこきた)」や「北高(きたこう)」と呼ばれており、開校から50年以上を経た今もなお愛され続けている人気校だ。この春、山手学院からも68名の生徒が入学した。キャンパスは新所沢駅東口から徒歩10分のところにあり、市街地からほど近い住宅街を抜けた先にある。学校の敷地は公立高校としては広く、グラウンド・野球場は30000㎡以上の広さを誇る。他にもテニスコートや柔道場・剣道場、弓道場など校内に多くの施設を有する。

文武両道の実現のために
県内有数の進学校として知られ生徒の進路実現に重きを置く所北では、「文武両道」を掲げている。高校生活では勉強だけでなく部活動や学校行事も頑張るべきだと木村校長は語った。所北では文武両道の実現のために、勉強漬けにならない工夫がされている。
所北の大きな特徴の一つでもある65分授業は文武両道を達成するための工夫のひとつだ。授業を65分で行うことで余裕を持った授業展開が可能となり、一般的な授業時間である50分では行うのが難しい演習時間の確保が可能となる。また、65分授業にすると土曜日に授業を行わなくても十分な授業時間が確保できるため、土日を部活動などの勉強以外の時間に使うことができる。
文武両道の実現には学校の工夫だけではなく、先輩から後輩へという生徒側の流れもある。1年生が文武両道を実現している先輩を見ることによって、自分もそうなろうという意欲がわく。このようにして文武両道は所北に根付いている。

理数科・SSH
所北は昨年度から「SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)」に指定された。理数科は2016年に設置され、この春10期生を迎えた。今回のSSHは満を持してのもので、理数科とSSHで所北の魅力はより一層輝きが増したといえるだろう。
これまで理数科を中心に行っていた活動は、SSH指定によって普通科にも広がり、中でも探究活動として、課題設定から研究、プレゼンまで行う課題発表は、学校全体で行う風土が醸成された。近年の大学入試の傾向として思考力を問う問題を出題することがある中で、探究活動で培った力はそのような問題を解く際に生きてくると深井教頭は語った。
理数科の探究活動である「SSコラボ」では、ひとつの問題を多面的に捉えることで、教科横断的な学習を行い、多角的なものの見方を身につけることができる。例えば、「組体操のピラミッドを科学する」であれば数学と体育、「感染症と経済学」なら生物と公民、さらには所沢市とのコラボとなるカーボンニュートラルの探究については、公民、化学、生物、物理など様々な教科が連携し、さらに市役所の担当部署や大学・研究機関などさまざまな広がりのなかで授業をリレーのようにつなぎながら探究を深める。
また、今年の3月には、ノーベル財団主催の学生講義が所北で行われ、1997年のノーベル物理学賞を受賞したアメリカ・メリーランド大学のウィリアム・ダニエル・フィリップス教授が講演を行った。これは日本の高校では初めての試みであり、大きな反響を呼んだ。
SSHでは発表の場で他者に伝えることも重要だ。発表の場として全国の発表会や学会に参加して見聞を広げるとともにスキルを磨く。活動は国内にとどまらない。SSH海外研修として2024年度はカーボンニュートラル先進国のデンマークにまで足を延ばしている。
理数科では神奈川県の三浦半島で臨海実習を行い磯の生物や地層について学習するなど、以前から活発な探究を行っていた。そこにSSHの活動が加わったことで、将来理系の道に進みたい高校生にとってはたまらないワクワクが詰まった理数科となった。

国際教育
所北には、多岐にわたる国際交流プログラムがある。ニュージーランド研修は、その中でも約30年の歴史がある。10回にわたる事前学習を行ってから行く2週間の研修の中で、異文化理解を深め、帰国後に報告書を作成する。はじめは不安そうな表情で授業を受けていた生徒たちも終盤には楽しそうに学んでいるそうで、所北の生徒の適応力の高さには驚かされる。所北のホームページには今年の現地での様子が掲載されている。1日ごとに写真入りで詳しく紹介されているので、国際交流に興味のある方には一読をお勧めする。
そのほかにも長期間のフランス研修や、海外で日本語教師を行っている外国籍の方を迎え入れての交流を行う「海外日本語教師受入」など、多くの形態での国際交流を可能としていることは所北の特長である。
進学実績に裏付けられた確かな取り組み
ここ10年の国公立大学合格者が以前の約2倍になるなど、所北は進学実績を大きく伸ばしている。そこには進路実現のための手厚い取り組みがある。たとえば、授業以外に通年で約20講座、夏期に約35講座、冬季に約15講座の補講を開講している。その他にも、1年次に4回、2年次に3回、3年次に5回行われる学年ごとの進路LHRでは、教員とともに希望進路に向けた目標設定や進路研究を行う。こういった手厚い取り組みに対して、生徒たちが自ら必要なものを考えて能動的に行動をしていることが進路実現の一番の要因であろう。教員と生徒の信頼関係が合格実績として実を結んだといえる。
充実した補講があるとはいえ学習の柱は授業だ。教員は授業への意識が高く研鑽に余念がない。教員同士の交流、研究、情報共有も盛んだ。普通科、理数科ともに生徒一人1台購入するiPadを活用し、導入されているアプリでのリアルタイムの学習支援などの効果的かつ効率的な学習を行っている。授業教室内にはWi-Fiも配備されており、快適なネットワーク環境が整備されている。

活発な部活動
文武両道を掲げる所北は部活動も活発に行っており、全生徒の8~9割が引退まで部に所属し、精力的に活動をしている。また、実績が顕著な部活動もあり、弓道部や陸上部、チアダンス部は全国大会の常連になっている。特にチアダンス部は、海外の大会に出場した実績もあり、入部のために所北を目指す中学生もいるほどだ。他の部活動でもバドミントン部や卓球部、ラグビー部やバレー部、美術部や吹奏楽部など県大会出場以上の成果を上げているものが多く、部活動に熱心な教員が多いのも特長となっている。
木村校長は「部活動を頑張っている生徒が難関大学に合格する事例も多くあります。」と教えてくださった。多くの生徒が高いレベルで文武両道を実現させていて、その背中を後輩が追いかける好循環ができているのだろう。

学校行事
所北には多くの学校行事があり、どれも盛り上がりをみせるが、なかでも熱が入るのは体育祭と文化祭だ。体育祭は3学年縦割りの団を形成して競い合う。応援で行うダンスは体育祭の一番の目玉で、ここでは部活動など以外で学年を超えた交流をする貴重な機会となっている。北高祭と呼ばれる文化祭では、生徒が主体となって出し物の準備をする。取材訪問した日に3年生の教室が並ぶ廊下を通りかかると、生徒たちが協力し合いながら文化祭の準備をしている様子を見ることができた。今年の北高祭は8月30日と31日の二日間で開催され、7,500人以上が来場し、大きな盛り上がりをみせた。

高い志を持つ生徒たち
最後に、木村校長は「勉強だけでなく、行事や部活にも挑戦をしてほしいです。様々な経験を積みたいと思っている人に来てほしいと思っています。」とおっしゃった。パンフレットの表紙にも「仲間も勉強も部活も…ぜんぶって言ったら欲張りですか??」「それ、ぜんぶ所北で叶います‼」と書かれており、学校をあげて高校生活すべてを充実させる体制を整えていることをうかがわせる。
また、「文系、理系問わずに来てほしいです。」ともおっしゃった。理数科ができてからは理系のイメージが強くなった所北だが、進学においては文系理系ともに高い結果を残している。
秋の学校説明会が10/4(土)・11/8(土)に所沢北高校で行われる。高校生になったら「ぜんぶを叶えたい」と考えている生徒諸君は、学年に関わらず説明会に足を運んで所北の雰囲気を十分に味わい、すべてを叶える自分をイメージしてもらいたい。
取材班よりひとこと
【所沢東口校 直塚秀隆】
SSH、高大連携、国際交流などの新しい取り組みは、生徒の将来につながるように設計されているとのことで、生徒一人ひとりを大切にする姿勢が素晴らしいと感じました。勉強はもちろん、部活にも学校行事にも積極的に参加する雰囲気も所北の魅力です。
【所沢西口校 広瀬謙太郎】
理数科は70%以上・普通科は50%以上がMARCH以上の大学に現役進学」という教頭先生の言葉に、所沢北高校の進学に対する自信が伺えました。共学校の良さを感じる学校です。
10月4日(土)に開催される所沢北高校「第2回学校説明会」の受付が9月16日(火)12時に開始となります。説明会の後に希望者は「理数科説明会」もしくは「質問ブース」に参加できます。「質問ブース」は所北生に直接質問できる新しい取り組みで、生徒の生の声が聞ける貴重な機会となるでしょう。
所北の学校説明会は10月4日(土)の次は11月8日(土)に開催予定です。所北を目指す方はもちろん、少しでも興味のある方には、参加をお勧めします。詳しくは高校のホームページをご覧ください。
所沢北高等学校ホームページ https://tokokita-h.spec.ed.jp/
