中学受験はいよいよ入試本番です。先ずは埼玉県の入試が1月10日から始まります。そこで、入試前後の注意点について取り上げてみたいと思います。ベストな状態で入試に臨むために気をつけておきたい点についてご説明いたします。
入試前日までの動き
●生活のリズムを一定にする
睡眠時間・食事のとり方などが、体調に大きく影響します。睡眠時間を一定に保ち、バランスの良い食事を心掛けてください。入試直前の焦りがあると思いますが、やはり7時間程度の睡眠時間は体調維持のために必須です。就寝22:30、起床6:00など、“早寝早起き型”に体を慣らしていってください。
●受験票の記載事項を確認する
受験票の記載事項が、自分の考えている出願内容と一致しているかどうかを確認してください。特に、受験科目と会場の確認は大切です。2科で出願したつもりなのに4科で受験登録されていたり、本校で受験するつもりで出願したのに受験票では別会場になっていたりしないか確認してください。入試直前の時期なので、受験票通りの受け方をするしかないと思われますが、自分の認識とずれがあるようなら受験校に直接問い合わせてください。Web出願が一般的ですが、細かい点が学校毎に異なります。特に気をつけなければならないのが、当日の持参物の扱いです。受験票そのものをご自宅などでプリントアウトして、顔写真を貼って当日持参する学校、受験票に1枚顔写真を貼り、もう1枚を持参する学校、事前に写真のアップロードが必要な学校、アップロードでも持参でもよい学校など、学校毎に差異があります。要項を熟読して、誤りのないように注意してください。
●試験会場までの交通ルートを複数調べておく
心配なのは交通機関の遅延や運転見合わせです。実際にこれは、首都圏で毎日のように起こっていることです。これまでにも、ある路線で入試当日に大幅遅延があり、複数の受験生に影響が出たことがありました。日々の遅延や運転見合わせの多さを考えれば、起こりうることです。必ず複数のルートをあらかじめ用意しておいてください。遅延や運転見合わせがあった場合、速やかに別のルートに切り替えられるように準備しておきましょう。
●天気予報を確認する
入試時期の天候で心配なのは雪です。試験会場までたどり着けるかどうかという点に関しては、大雪の予報が出ていたら、会場の近くにホテルを予約する以外に、確実な方法はありません。雪の心配は他にもあります。足下が不安定で危ない上、足先が濡れる可能性もあるということです。靴下が濡れてしまったら簡単に乾きません。そこで、みなさんには“雪セット”の用意をおすすめします。長靴・替え靴下・全身カッパ(片手がふさがるので傘は差したくありません)・杖がわりの傘(リュックを背負って片手に傘を杖のかわりに持ちます)です。
●入試のための服装準備
都内伝統女子校に限っては、服装に関して暗黙のコードがあります。雙葉・白百合学園・東洋英和女学院・学習院女子・山脇学園・大妻・共立女子・東京女学館・跡見学園・川村などがそうですが、多くの受験生が、地味な色のスカート・タイツ・革靴という受験用スタイルでやってきます。別にそうしなければいけないルールがあるわけでもありませんが、受験校の性質を考えて、周りから浮き上がらず本人が落ち着いて受験できるスタイルを用意してあげてください。
※革靴は指先や踵が痛くなりやすいので、履き慣れが必要です。
出かける前の注意点
●早めに起床する
朝ご飯をゆっくり食べる人、毎朝必ずシャワーを浴びる人、髪を整えるのに時間をかける人、朝の行動は個人により様々です。ゆっくり行動する人は、それだけ早く目を覚まさなければなりません。出かけるときに慌てることのないように、早めに就寝し、早めに起床しましょう。
●出かける前に交通情報を確認する
あらかじめ決めていたルートで問題がないか、出かける前に必ず確認してください。もし、遅延や運転見合わせがあったら、最寄りの駅に直接電話して、実際にはどれくらい電車が動いているのか、運転再開のめどが立っているのかを確認してください。そして、ルートを変更する場合は、早めに決断することです。乗り換え案内アプリの情報は、タイムラグがあるかもしれません。心配なら駅に電話して確認してください。
●朝食を必ず摂る
日本人の主なエネルギー源は炭水化物です。炭水化物が不足すると低血糖になって思考が鈍ります。朝食では必ず炭水化物を摂りましょう。具体的には白米がお奨めです。パンではなく白米です。小麦粉と比べて白米は血糖値の上昇と下降が緩やかなため、エネルギーが長もちします。朝のドタバタが心配なら、前夜におにぎりを作っておきましょう。冷や飯は温かい白米よりも、さらに消化がゆっくりになってエネルギーが長持ちします。
●午後入試前の昼食
平日のお昼時は企業人が街にあふれてお店がたいへん混雑しています。なかなかお店に入れなかったり、注文したものが届くのに時間がかかったりしそうです。したがって、ほとんどの場合はコンビニ食になると思われます。その際も、サンドイッチではなく、おにぎりを食べましょう。体質的に乳糖を分解できないタイプの人は、牛乳を飲むとおなかの調子が悪くなるので、お茶などにしてください。
たくさん食べ過ぎると眠くなる人は、調節してください。
※手で食べ物を直接口に運ばない方がいいと判断する場合は、お箸で食べるお弁当にしてください。
試験会場に向かう際の注意点
●自家用車の利用は慎重に
自家用車を使う場合は注意が必要です。事故渋滞に巻き込まれたらどうにもなりません。さいたま市内や都心部などは、道路が混雑していることが多く、思うように走れないかもしれません。自家用車を利用される場合は、余裕をもって出発してください。スクールバスの運行がある場合は、それを利用するのが最も確実です。仮にスクールバスが渋滞に巻き込まれて遅れても、到着するまで試験は始まらないからです。
※令和8年度の「さいたま市二十歳の集い」(旧成人式)は、例年さいたまスーパーアリーナで開催されますが、開催日が1/12(月・祝)午後なので、淑徳与野中の入試に影響はありません。
●電車の中で保護者が問題を出すのはやめる
電車の中では本人まかせにしておいたほうがいいと思います。本人が参考書やノートを開いたら、口を出さずにそっとしておいてください。必要な知識をすべて覚えている受験生などいません。受験生はみな、試験会場で思い浮かぶ知識で勝負するのです。電車の中で猛特訓をやると、知識の穴がポロポロ出てきて切りがありません。得られる知識よりも失う自信の方が遥かに大きいのです。
●親子喧嘩しない
平常心で試験に臨ませるのが保護者の責任です。受験生も入試直前は苛立っていますから、妙なことで突っかかってくることがあるかもしれませんが、保護者のみなさんはじっと我慢してください。入試数日前から緊張が顔に出てくる子、発言に出てくる子、お手洗いに行く回数が多くなる子、いろいろです。保護者のみなさんは、お子様の様子に注意をしていただき、緊張が見られるようなら、できるだけ平常心で試験に臨めるように、導いてあげてください。
●何か起こったときは必ず受験校に連絡して指示をもらう
電車が途中で運転見合わせとなってしまった。向かう途中で体調が悪くなってしまった。別の学校の受験票を持ってきてしまった。午後入試の受験票を忘れてしまった。どんな場合でも、まず真っ先にするべきことは、受験する学校に直接電話して相談することです。何らかの理由で電車が運転見合わせとなり、走り出す見込みのない場合、車内でも携帯電話を使うしかありません。あらかじめ保護者の携帯電話に受験校の電話番号を登録しておくことが大切です。忘れずにお願いいたします。受験票を忘れても、受付で申し出れば仮の受験票を再発行してもらえるのが普通ですし、体調不良でも何とか辿り着けば、別室で受験させてもらうことができます。たとえ遅刻してしまっても、規定時間内に辿り着けば受験できます。全部解けなくても、受験生の応募状況によっては、十分に合格の可能性があるのですから、決して諦めないでください。
持ち物について
●正確に時刻を合わせた腕時計
試験会場によっては、壁掛け時計をはずしてある場合、紙で覆って見えないようにしてある場合があります。正確を期すためにチャイムで一斉に試験時間を管理するためです。壁掛け時計を見られるようにしている学校でも、角度によって見えにくい場合があります。腕時計は忘れずに持っていかせてください。
●三角定規・コンパス・分度器など
学校によっては三角定規・分度器を使う場合があります。募集要項に明記されているはずですし、過去問を解いていれば、受験生が知っているはずです。途中で忘れたことに気づいたらコンビニで買ってください。(試験会場では筆記用具等の貸し出しをしないのが普通です。)
●消しゴムは2個以上
消しゴムが転がってしまった場合は、目の前にあっても手を挙げて試験監督を呼び、拾ってもらうのが入試のルールです。一度ならいいのですが、何度もやってしまったら、恥ずかしくて手を挙げられない子もいるはずです。そんなときは、別の消しゴムを使い、あとから拾えばいいのです。転がりにくい四角くて大きめの消しゴムを2個以上は持っていってください。
●1教科2本の鉛筆を輪ゴムでまとめる
鉛筆が折れてしまったら、別のものを使います。普通は筆箱を机の上に出せませんから、鉛筆はまとめて輪ゴムでギュっととめて机の上に置きます。輪ゴムがブレーキになって転がりにくくなります。輪ゴムは切れやすいので、複数用意してください。ちなみに、鉛筆は断面が丸いものではなく、六角形などのもののほうが転がりにくいのでお奨めです。
●“ガタガタ机”安定用の牛乳パックの切れ端
試験会場の机がガタガタすることが結構あるということが、多くの受験生たちの証言により分かっています。ダンボールや牛乳パック等を切ったものを持っていきましょう。少し長めの長方形のものを数枚持っていき、折り曲げて使います。試験会場で自分の机がガタガタするようなら、それを試験開始前に挟み込んで、必ず安定させてください。
●替えマスク
入試期は感染症が流行しやすい時期です。したがって、受験生には不織布マスクの着用をお奨めします。耳ヒモが切れてしまったり、口元が濡れてしまったりしたときに付け替える替えマスクも用意していきましょう。
●殺菌消毒用の携帯ハンドジェル
殺菌消毒用のハンドジェルは小さな容器に入ったものが売られています。乗り物を降りたときや、建物に着いたとき、昼食前など、節目ごとにこまめに手指の殺菌消毒をすることをお奨めします。
●ひざ掛けは使えないのが普通
ひざ掛けにはロゴなどが入っていることが多いため、使用できないのが普通です。女の子でひざの出るスカートをはいていく場合は、厚手の黒いタイツをはいて、黒いショートソックスを重ね履きしたり、レッグウォーマーを使ったりして足元を暖かくしていってください。午後に面接がある場合は、レッグウォーマーの脱ぎ忘れに注意してください。
●エネルギージェル2つ
休憩時間に食事をしている受験生はたくさんいます。もちろん、エネルギー補給と気持ちの切り替えが狙いです。休み時間に簡単に口にすることができ、吸収が早くてすぐにエネルギーになるのがエネルギージェルです。口の中がベタベタしないのもいいところです。どこのコンビニでも売っています。スポーツ店が販売しているランナーがレース中に飲むようなものではなく、だいたいどこのコンビニでも置いている、次の2つの内どちらかで十分です。1本で1教科以上もちます。
①ミニッツメイドの「朝バナナ」(「マルトデキストリン」が含まれるため、特に吸収が早くすぐにエネルギーになるのでお奨めです。)
②森永製菓の「inエネルギー」(目的は炭水化物の摂取ですから、緑色のマルチビタミンや紫色のマルチミネラルではなく、銀と青のエネルギージェルを買ってください。)
【注意】
チョコレートなどは良いようなことが言われていますが、私はお奨めしていません。チョコレートを食べると血糖値が急上昇し、それを抑制するためにインスリンが分泌されて、血糖値の急降下が起こります。その際に思考が鈍ってしまうと言われています。
最後に
中学入試は高校入試と比べ、偏差値どおりにいかないことが多々あります。やってみなければわかりません。たとえ、志望校の合格めやすに偏差値が届いていなくても、決して諦めることなく、ご家族みなさんで不撓不屈の精神をもって、悔いの残らない戦いをしてきてください。
