ひばりの親子に学ぶ、夏休みの朝習慣
イソップ寓話に、ひばりの引っ越し、あるいはひばりと農夫として知られるお話があります。
麦畑に巣をつくったひばりの親子がいました。麦が実るころ、畑の持ち主は、そろそろ刈り入れの時期だと考えます。はじめは、近所の人に手伝ってもらおうとします。次に、別の人の力を借りようとします。しかし、母ひばりはまだ動こうとしません。ところが、持ち主が人に頼るのをやめ、自分たちで刈り取ろうと決めたとき、母ひばりはすぐに巣を移す準備を始めます。
このお話が教えてくれるのは、人に頼っているうちは物事はなかなか動かず、自分でやると決めたときに、初めて本当に動き出すということです。

夏休みの朝も、これに少し似ています。
学校がある日は、登校時間があります。朝起きる、朝食をとる、支度をする、家を出る。その流れがあることで、子どもたちは自然と一日を始めることができます。しかし夏休みに入ると、その大きなリズムが一度なくなります。
最初は、いつもより30分だけ遅く起きるくらいかもしれません。けれど、それが数日続くと、朝食の時間がずれ、宿題を始める時間がずれ、気づけば午前中が何となく過ぎてしまうことがあります。
そのときに、保護者の方が毎朝起こし、声をかけ、宿題を確認する形になることがあります。もちろん、最初の声かけは必要です。ただ、夏休みの間ずっと親の声だけで動く形になると、親も子も疲れてしまいます。目指したいのは、起こされる朝ではなく、子どもが自分で一日を始められる朝です。
睡眠について、米国の研究機関では6〜12歳では1日9〜12時間、13〜17歳では8〜10時間を目安として示しています。また、十分な睡眠は注意力や記憶にも関わるとされています。つまり、朝のリズムを守ることは、生活面だけでなく、学習に向かう集中力を守ることにもつながります。
夏休みに大切なのは、特別なことを毎日続けることではありません。
起きる時間を大きく崩さない。朝食をとる。着替える。午前中のうちに、短い時間でも机に向かう。今日やることを一つだけ決める。こうした小さな流れがあるだけで、子どもは一日を始めやすくなります。
家庭だけで学習のリズムをつくるのが難しい日もあると思います。そのようなときは、ぜひ自習室も活用してください。場所を変えることで気持ちが切り替わり、家ではなかなか始められなかった学習に入りやすくなることがあります。夏休み中も自習室を開放している日が多いので、うまく使いながら、学習のリズムを整えていきましょう。
ひばりの親子の話のように、自分で動き出す準備ができたとき、行動は変わります。夏休みは、子どもが自分で時間を使う練習ができる大切な期間です。今年の夏は、まず朝の習慣から見直してみてください。起きる、食べる、着替える、机に向かう。そして必要なときは、自習室を使う。この当たり前の流れが、夏休み後半の学習にも、2学期のよいスタートにもつながっていきます。
今月の教育アドバイス
自ら動く者に、道は開ける。
(人に頼るだけでなく、自分で一歩を踏み出したとき、物事は本当に動き出す。)(イソップ寓話『ひばりと農夫』より)
