まわりはじめる時期 :小学4年生
(興味のある学校を幾つかまわって私立の学校にふれてみましょう。)
本格的にまわる時期 :小学5年生
(めざす学校や受けてみたい学校をレベル別に、いろいろ見比べましょう。)
あまりまわらない時期 :小学6年生
(受験生本人はできるだけ土曜日・日曜日も勉強しましょう。)
中学受験は、保護者の皆様の主導ではじまる場合が多いといえますが、受験生本人の意識を「やらされるもの」ではなく「やりたいもの」に変えていくことが必要です。そのために、親子で私立中学校に足を運んでみることが必要です。小学生の心の中に、私立中に行きたいという気持ちが芽生えれば、受験学習が主体的なものになっていきます。学ぶことに前向きな小学生にとっては、中学受験の学習はとてもおもしろい内容ですから、楽しく学べるようになっていくでしょう。
学校まわりは4年生からはじめ、小学5年生では、できるだけたくさんの学校に足を運びましょう。多くの学校を見ていくうちに、自分が好きなタイプの学校が自分自身で分かりはじめるでしょう。レベル的には上中下の三段階を意識し、それぞれのレベルで受験したい学校を1校ないし2校見つけましょう。ただ何となく校舎がキレイだった、体験学習が楽しかったというような感想だけで受験校は選べません。通学することを想定した具体的な観点をもって見比べましょう。
①ラッシュ時間帯に十分に通学できるか。(都内私立の通学平均時間は70分程度)
②大学合格実績。
③他校にない独自性。
④施設の充実度。
⑤嫌なところ。
あまり細かすぎるとかえって分かりにくくなるので、これぐらいのおおまかな観点で比較してみましょう。とくに観点⑤は重要で、これが我慢できるものなら問題ないのですが、いくら他の観点が優れていても、観点⑤が決定的に我慢ならないものだったら、その学校は候補から外すことになります。
6年生になったら、できるだけ学校まわりは控えて、土曜日・ 日曜日も学習時間を確保しましょう。(ただし、5年生までに学校まわりをあまりしていない場合は、6年生で積極的に見てまわる必要があります)秋以降の学校説明会や入試説明会では、各科目の出題について各教科主任の先生がポイントを解説することが通例です。出題ポイントについて触れる説明会には、6年生の受験生本人が必ず参加するようにしてください。
いろいろなイベントに参加して、好きな学校のファンになろう!
●オススメしたい1つ目のイベント
授業見学です。学校によって授業の雰囲気はさまざま。講義型の授業に生徒たちが真剣なまなざしで聞き入るタイプもあれば、先生の問いかけに生徒が手を上げて答えたり、勝手に答えたりする、生徒参加型タイプもあります。授業は学校の根幹です。それを見比べれば、自分に合うかどうかが見えてくるかもしれません。
●オススメしたい2つ目のイベント
いま、東京都や神奈川県の私立中学校で流行っているのが、在校生を登場させる説明会です。先生方のお話は、ほとんどが保護者向け。小学生には難しいと思います。それに比べて、在校生が登場するイベントは、保護者にとっても小学生にとっても、とにかくおもしろい。直接しゃべれるコーナーでは、遠慮せずに是非なんでも在校生に質問してみてください。その際、これは必ず質問しようという項目を、あらかじめご家庭で考えて行ってください。在校生たちは、結構本音で語ってくれます。
≪ 在校生とふれあうイベント例 ≫
*「在校生と話そうコーナー」
*「在校生による校内見学ツアー」
*「在校生インタビュー」
*「在校生とのミニ交流会」
*「在校生の受験体験談」
*「在校生の手作り説明会」
*「在校生が手伝ってくれる制服試着コーナー」
私立中学校の生徒募集イベントは、先着順の定員制で、ホームページから申し込みをする形をとっているのが一般的なので、気になる学校のホームページは、頻繁にチェックしておいてください。
大学合格実績だけでは学校の良さはわからない
私立中高一貫校なら、だいたいどこの学校でも大学入試には力を入れています。しかし、大学合格実績から、その学校の学習指導力を判断するのは、とても難しいことです。
まず、国公立大は、だいたい1人が受験するのは1校(前期入試で不合格となり、後期入試は別の大学に出願した場合は2校受験します)ですから、国公立大の合格状況を比較するという観点があります。しかし、国公立大に合格することは大変難しく、学力の高い生徒の集まる学校でないと比較できません。したがって、国公立大の合格実績比較は、多くの学校の判断としては使いにくい観点です。一方で、私立大は受験生一人あたりの出願数に個人差があります。学校の進路指導方針によって多いところでは1人10~12学部も出願させることがあります。(同じ大学の同じ学部を異なる出願方式で複数出願するケースを含みます)進路指導責任者、学年主任、担任の先生などの方針によって出願数が大きく影響されるのです。また、私立中高はおおむね、学校の学習内容だけで十分に難関大学への合格が可能であることを説明会等で話していますが、それは誤りではないにしても、(非常に優秀な生徒や推薦等を利用する生徒の中には塾・予備校を利用しない人もいます)実際には、高校3年夏以降に塾や予備校を利用していない私立高校生は少ないのが現実です。つまり、私立中高一貫校の大学合格実績には、塾や予備校の指導が大きく関わっています。
以上のように考えれば、大学合格実績だけではなく、別の観点で学校に付加価値を見いだすことが重要だと言えます。もちろん、学力相応の学校に入学することは、安定した学習生活を送る上で非常に大切なことです。したがって、日々の学習の出口に相当する大学合格実績は無視することのできない視点ではあります。しかし、大学合格実績は、その学校の本質(時代を超えて引き継がれる、その学校の在り方の核のようなもの)ではないことも多いようです。学校という学びの場は、受験学習だけをやるわけではなく、自我の形成期における総合的な学習環境です。どうか、皆さんには、多角的な鋭い視点で学校を評価していただきたいと思います。そのためにも、是非とも直接足を運んで、「学校まわり」をしていただきたいのです。
