
6月23日に文部科学省が公立中学校と高等学校等の英語教育の状況についての昨年度の調査結果を公表しました。この調査からは、中学生や高校生の英語力や英語担当教師の英語力、ICT機器の活用状況などがわかります。
この調査結果より、全国の中学生の英語力について、今年もさいたま市が全国1位となったことがわかりました。1位は6年連続です。具体的には、CEFR A1レベル相当以上(英検3級以上)を取得している中学3年生が78.3%、CEFR A1レベル相当以上の英語力を有すると思われる生徒数が10.9%、その合計が89.2%となっています。なお、2位の市は、福岡市の65.9%、都道府県単位の集計で1位の福井県は79.8%でした。なお、埼玉県全体では52.2%です。さいたま市が抜きん出ていることがわかります。

どうしてさいたま市は英語が強いのか
一般的な小学校では、小3から小6の4年間、英語を学習します。小3・4で各35時間(週1回)、小5・6で各70時間(週2回)の英語の授業があり、4年間の合計で210時間、英語を学習します。一方、さいたま市では、2016年度からすべての小中学校で「グローバル・スタディ」という独自の英語教育を実施しています。小学校1年生から英語の授業を実施していますので、小学校6年間で419時間と、普通の小学生の約2倍、英語を学習することになります。このことがさいたま市の英語力の強さの源になっているようです。
高校入試では……
次の表は、2025年度公立入試の開示得点の分析結果より、学校選択問題を実施した高校について、合格者の平均点が高い順に高校名・科をならべたものです。(得点などの詳細は山手学院の保護者会や面談、9月発行予定の進学資料などでお伝えします。)

国語・数学・英語をそれぞれ見てみると、国語では川越女子が、数学では所沢北の理数科と県立川越がさいたま市以外の高校として上位5位以内にランクインしています。一方、英語の上位5位はすべてさいたま市の最難関の高校です。これは最難関の高校に限った話ではなく、さいたま市の高校の英語の合格者平均点は比較的高い傾向にあるようです。会場テストの偏差値では同じぐらいでも、実際の入試の各科の得点傾向を分析すると、英語で差がついている場合がありますので、注意が必要です。1、2年のうちから英語をしっかり学習しましょう。
