SCHOOL DATA
埼玉県立和光国際高等学校【県立・共学校】
住所:埼玉県和光市広沢4-1
電話:048-467-1311
アクセス: 東武東上線・東京メトロ有楽町線 和光市駅 徒歩17分
唯一無二の高校「新生・和光国際」開校。
深化する国際教育、受け継がれるRST
今回は、令和8年4月に大きな歴史的節目を迎え、さらなる進化を遂げた埼玉県立和光国際高等学校(通称「和国」)を訪問し、初代校長に就任された佐藤忠好先生にお話を伺った。
公立校として全国初の「国際高校」として誕生した同校は、創立から約40年を迎えた今年度、埼玉県立和光高等学校との統合・再編を経て、「新生・和光国際高等学校」として新たな一歩を踏み出した。校名と校地は和国を継承しつつ、制服のデザインを一新。伝統のブレザースタイルを守りながら、爽やかなブルーからシックで落ち着いたネイビー(紺色)へと刷新された。ジャケットの裏地には歴史を重ねてきた和光高校の制服に使われたチェック柄が取り入れられており、新装に身を包んだ生徒たちの姿が非常に新鮮だ。

一方で、正門近くで生徒たちを出迎えるモニュメント“Read, See & Think (RST)”「読んで、見て、そして考えよ」という校訓と思想の軸は揺らぐことがない。正門の小路を抜けると、50カ国分用意された国旗から日替わりで6カ国分が掲揚される6本のポールが青空に映え、校舎内の案内表示がすべて英語で統一されている光景も健在である。「統合によりこれまでの国際教育が継承され、さらに強化・発展した学校になる」という学校側の説明通り、校内には活気あふれるグローバルな学習空間が広がっていた。

外国語科から「国際科」への発展
令和8年度の大きなトピックの一つが、既存の「外国語科」を発展的解消・強化する形で新たに開設された「国際科」である。県内唯一の2クラス規模を誇った実績とノウハウを結集し、地球規模の課題解決を目指す探究型学科としてリブランディングされた。
1. 高度な多言語教育と豊富なネイティブスタッフ
国際科および普通科の学びを支えるのは、総勢9名におよぶネイティブ教員陣(アメリカ人教諭および8名のALT・外国語指導スタッフ)だ。英語圏だけでなく、中国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語の第二外国語を担当するスタッフが常駐しており、放課後や休み時間には生徒たちが気軽にネイティブスタッフと外国語で談笑する様子が日常的に見られる。

2. 実践力を磨く「国際科」と「グローバルイシューズ」
国際科では、ほぼすべての英語の授業がオールイングリッシュで行われるほか、1年次の英語キャンプ、3年次の英語による卒業論文の執筆・プレゼンテーションといった伝統の実践的取り組みが引き継がれ、単なる「英語が話せる生徒」ではなく「英語で何を語り、どう行動するか」を問う高度なカリキュラムが展開されている。

3. 普通科の柔軟なカリキュラムと幅広い進路
普通科においても国際高校としての強みは最大限に生かされている。3年次の文系選択では第二外国語や専門科目「異文化理解」を履修することが可能だ。また、進学校としての和国の特長である「普通科の文理選択をあえて3年時に行う」というカリキュラム設計も健在である。1・2年時に特定の科目群に偏らず幅広い知識を習得することで、将来の可能性を狭めずに自分の進路を見極めることができる。文系はもちろん、東京理科大学をはじめとする難関理系大学や国公立大学を目指す生徒へのサポート体制も万全だ。

グローバル基準の英語力へ:TOEFL受検の推進
和国の英語教育において、近年の大きな柱となっているのが「TOEFL(トーフル)」の積極的な推進だ。従来の国内向け英語検定にとどまらず、世界標準の英語運用能力を測定するTOEFLの受検を推奨している。その集大成として2026年6月、TOEFLテスト運営元であるETS Japanの「TOPプログラム」STAGE3に認定され、公立高校としては全国初となるSTAGE3認定校の称号を得た。

55分授業・ICT・探究学習の融合
和国では、「55分授業×日課6時間」のスタイルを採用し、土曜には授業を行わない。これにより、平日授業のみで週33単位分という、土曜授業を実施している学校と同等以上の豊富な学習量を確保している。結果として、土曜と日曜を生徒が自分の活動時間として使う余裕を持ちながらも、高い学力を維持することに成功している。
ICT環境においても、普通教室のプロジェクターや一人一台のタブレット端末の活用が日常化しており、発表資料の作成や海外の姉妹校とのオンライン交流などにスムーズに使われている。さらに、和光市内に拠点を置く「理化学研究所」への見学や、20以上の大学から講師を招いて実施される「和国 ONE DAY CAMPUS」など、大学のその先を見据えたキャリア教育や総合的な探究の時間も大きな成果を上げている。
人気の図書館
図書館がリニューアルされ、「ラーニングコモンズ」が併設された。ただ本を読んだり借りたりするだけの場所ではない、滞在型学習空間ともいえるものだ。一方で、英語多読コーナーや新書コーナーなども充実している。さらには近隣の県立図書館や他校の図書館とのネットワーク連携により、膨大な蔵書にアクセスできる環境も整えられている。
ビブリオバトルが盛んなのも和国の特徴だ。近ごろの高校生は忙しくて読書をしていないという話も聞くが、和国の図書館を訪問して読書が盛んなことに驚かされた。

リアルな対面交流の完全復活と多様な海外研修
国際交流事業もかつて以上の活気を見せている。
1. 海外修学旅行(シンガポール)の定着
2年時に実施される修学旅行先は、伝統のシンガポール。事前学習として現地社会や歴史、経済について深く探究したうえで渡航し、現地の最高峰である南洋理工大学(NTU)の学生とのディスカッションやフィールドワークを行う。ただの観光旅行に終わらせず、「学びの成果を試す実践の場」として位置づけられている。
2. 多彩な海外研修と留学生の受け入れ
長期休業を利用した短期海外研修も非常に盛んだ。イギリスやカナダでの語学研修をはじめ、和光市の姉妹都市であるアメリカ・ワシントン州ロングビュー市への派遣、フランスのオンブローザ校とのパートナーシップによる相互派遣など、選択肢は多岐にわたる。さらに、オーストラリアからの留学生を学校全体で迎え入れ、本校生徒の家庭でのホームステイや通常の授業への参加を通じて、日頃から日常的な国際交流が行われている。
また、アメリカのワシントン州にあるLCC(ローワー・コロンビア・カレッジ)との進学連携協定も魅力的だ。LCCは日本の短大と専門学校が合体したような学校で、ここを2年で卒業し、全米の4年制大学へ編入することができる。LCCは公立なので学費の面のメリットが大きいそうだ。和国はLCCの留学担当者と連携しているので、入学諸手続きから住居の斡旋、全米の4年制大学への編入においてサポートが受けられる。こういったこともあり、卒業後に直接海外の大学へ進学する生徒も珍しくない。

主体性を育む学校生活と活気ある部活動
和国の生徒たちの最大の魅力は、どのような場面でも発揮される「主体的な姿勢」にある。国営の国際機関や各国大使館、外務省、JICAなどから講師を招いて行われる国際理解講演会では、講演後の質疑応答で生徒たちの挙手が途切れることがない。自発的な海外支援の募金活動や、生徒総会での活発な議論など、自ら考え行動するRST精神が根付いている。
部活動への参加率は約9割と高く、文武両道を地で行く活気にあふれている。
少林寺拳法部:ほぼ全員が高校からの初心者スタートでありながら、生徒自らが練習メニューを考案し、OB・OGや上級生が下級生を指導する独自のスタイルで、関東大会や全国大会の常連として圧倒的な実績を残し続けている。
吹奏楽部:各学年に40名以上、全校で100名を超える大所帯を誇り、各種コンテストでの全国大会出場経験を持つ看板部活の一つ。「和国の吹奏楽部の演奏を聴いて入学を決めた」という生徒も多い。
ほかにも陸上競技部、ワンダーフォーゲル部、ESS部(英語劇)、サッカー部など、運動部・文化部を問わず生徒たちがイニシアチブを持って活動に取り組んでいる。
行事面においても、文化祭と体育祭を融合させた「みづのき祭」が実施され、全学年を縦割り8色に分けたチーム編成によって、学年を超えた強い絆と先輩後輩の交流が生み出されている。

最後に非常に興味深い「秘話」に触れておきたい。
実は、新生・和光国際高校の初代校長として着任された佐藤忠好校長は、かつて初任教員として旧和光国際高校に8年間勤務し、その後、教頭としても同校へ赴任。さらに、今回の統合相手校である旧和光高校の最後の校長を務めた経歴を持つ。つまり両校の歴史、伝統、そして生徒や教職員の思いを誰よりも深く知る人物として、満を持しての初代校長就任となったのである。
佐藤校長は根っからのラガーマンで、「ワンチーム」の精神を学校運営の軸に据えている。5月26日の開校記念日には、統合校である旧和光高校の開校記念日を継承することを決定。「旧和光高校の歴史や、最後まで一生懸命に生きた生徒・教職員の思いを絶対に無駄にしない。その思いを託された私たちが、和光国際高校のプライドを持って一日一日を大切に生きていく」と、生徒たちに熱いメッセージを送った。

佐藤校長は未来の和国生に向けてこう語る。
「新生・和光国際高校としてスタートを切りましたが、私たちが目指す根幹は変わりません。ここでいう『国際』とは、単に英語が話せることだけではなく、多様な価値観をリスペクトし、自発的に考え(Read, See & Think)、『ワンチーム』となって行動できる広い視野を持つことです。歴史と伝統を受け継いだ新しい和国のキャンパスで、皆さんの可能性を大きく広げていきましょう。」
佐藤校長が取材の間に何度も口にされたのが「唯一無二の学校」そして「ワンチーム」だ。伝統のRST精神を守りつつ、旧和光高校の思いも背負ってスタートした「新生・和光国際高校」。多様な仲間と高め合い、世界へ目を向ける環境は、まさに他にはない唯一無二の魅力を放っている。情熱的な初代校長のもと、新しい和国のキャンパスがワンチームとなり、一人ひとりの生徒が主人公として伸び伸びと学び、多くの若者たちが未来の世界へと羽ばたいていくだろう。少しでも興味を持った生徒は、ぜひ学校に足を運んでほしい。


取材班よりひとこと
【朝霞台校 時岡 崇夫】
何事に対しても意欲的に、積極的に取り組む姿が授業の様子から垣間見えました。これまでも十分に魅力的な学校でしたが、ここから更に良い方向に変わっていくのだろうなと感じ取ることができました。
10月3日(土)・11月21日(土)に学校説明会、令和9年1月30日(土)には個別相談会が開催されます。和光国際高校に少しでも興味を持った方は、ぜひご参加ください。他校の説明会に参加された方も、学校選びの確かな視点を持つ良い機会となるはずです。説明会の詳細やお申し込み方法につきましては、和光国際高校ホームページをご覧ください。
