新しい学年の第一歩

The first step in the new grade

 君は、自分の未来をプラスと見ているだろうか、マイナスと見ているだろうか?
 まさか、小学生や中学生の君が、自分の未来をマイナスと見ているはずはないだろうから、君の未来は、いうまでもなく、プラスだ。つまり、未来の君は、現在の君よりも、さらにすばらしい。
 では、自分の未来に、君は、なにをプラスするのか?
 もし、すぐに答えられないとしたら、君は、まだ自分の目標を明確にしていないのかもしれない。
 たとえば、君が公立U高校に進みたいという目標をもっているとすれば、まずプラスするべきものは、通知表の評価ということになるだろう。小学生なら、通知表の全教科の各項目をできるだけ多く「よくできる」にすることであるし、中学生なら、通知表評定を9教科合計40以上にすることだ。(小学生の「よくできる」は、中学生のAや◎の評価に相当する。全項目「よくできる」であれば、その教科の評定は5段階評価の5となる)
 そして、入試当日までに、U高校に合格するための学力、つまり、U高校が求める以上の学力をつくっていくことになる。
 君の目標は、君がやるべきことを示してくれるのだ。
 中学受験・高校受験・大学受験であっても、英語検定・漢字検定・数学検定であっても、さらに、さまざまな資格試験であっても、目標や期限がはっきりしていれば、具体的にやるべきことは、すぐに決まる。
 しかし、もっと未来の、もっと大きな目標となると、最初はおぼろげな方向性だけで、具体性はないだろう。それでも、そのおぼろげな方向性に沿って前進していけば、次第にやるべきことが具体的になってくる。そして、やるべきことが具体的にわかったとき、じつは、君は目標達成に近づいているのだ。(なぜなら、君がそれを実行するなら、目標は達成されるだろうから)
 新しい学年の第一歩は、君の未来への第一歩でもある。そう考えれば、1学期の学習をおろそかにすることはできないだろう。なにをするにしても、最初が肝心なのだ。
 まず、君は、すべての教科をとことん学ぼう!
 学問は、本来、一つといえるのだけれど、研究や探究のためにさまざまな分野に分化されてきた。逆に見れば、どの分野も、どの教科も、学ぶ人によって統合的にとらえなおすことができる。
 中学校で主要5教科と呼ばれる国語、数学、理科、社会、英語、そして、副教科と呼ばれる音楽、技術家庭、保健体育、美術。どれも重要だけれど、すべての学習の前提として、国語と体育にしっかりと取り組みたい。言語と非言語をそれぞれ代表するからだ。脳は、言語能力と身体能力を培うことによって、その力をじゅうぶんに発揮できるようになる。
 学習というと、どうしても言語に偏ってしまいがちだが、じつは、非言語の能力が学習の根幹に必要なのだ。人のほんとうの賢さは、体育、音楽、技術家庭、美術など、副教科の学習によって鍛えられる。入学試験に代表されるペーパーテストにこだわり過ぎて、副教科をおろそかにすることは、君の能力を鍛えるチャンスを失うことを意味するだろう。
 1学期のあいだ、すべての教科に積極的に取り組んでみてほしい。そうすれば、すべての教科に相乗効果が生じて、学力がグンと伸びることを実感できるはずだ。
 さあ、君の未来に向かって、新しい学年の第一歩を踏み出そう。

学院長 筒井保明