人は目標にむかって成長する!
You are growing up toward your goals!
3学期制の学校であれば、小学生も、中学生も、通知表を渡されただろう。今回の通知表は2学期の君の取り組みに対する評価であるから、よくてもわるくても、しっかりと分析してみることが必要だ。
中学生の場合、5段階の評定であれば、君たちの基準は「4」。
「5」なら、自分で納得できるだろうし、「3」や「2」なら反省するしかない。まちがいなく「3」や「2」は自分の取り組み方に問題があったのだ。
ところで、現在の通知表になる以前の評定は、自分の努力だけでは、どうにもならないところがあった。たとえば、100人の同級生がいたとしよう。定期テストの得点をベースにして、1番から7番までが「5」、そして、おなじ人数だけ「1」をつける。つぎの8番から31番が「4」、そして、おなじ人数だけ「2」をつける。残りの38人が「3」になる。
これは相対評価といって、偏差値とおなじ考え方だ。偏差値の場合、おなじテストを受けた全員を母集団として、おおざっぱに上位の7%が偏差値75~67、つぎの24%が偏差値65~55、さらに、つぎの38%が偏差値55~45・・・といった案配になる。高校受験の人気校の目安となる偏差値60は、全体の上位16%の位置だ。つまり、偏差値というのは、君のテストの結果が、「テストを受けた人たち全体に対して、どの位置にいるのか」を表しているわけである。だから、その全体(母集団)の学力次第で、偏差値の意味は大きく変わってしまう。「このテストを受けた集団は、どういう人たちなのか」ということが重要な問題であるから、各中学校に学力差があるかぎり、相対評価による通知表評定は、中学校同士では公平な評価になりえない。
じっさい、相対評価が使用されていた時期の通知表評定は不公平なものだった。できる生徒が多い学校の生徒は、微妙な得点差で通知表評定が低くなる。できない生徒が多い学校の生徒は、ちょっとできるだけでも通知表評定が高くなる。おなじ「4」が、おなじ学力を表しているわけではなかった。
そうした考えもあって、現在の通知表評定になったので、わたしは、以前よりも現在の通知表の方がよほどいいものだと思っている。現在の通知表は、相対評価ではないから、君たちの努力次第で、全員が「5」をとることも不可能ではないのだ。
ほとんどの受験生は、通知表評定がすでに定まってしまっているから、ここからは、入試当日まで、志望校に合格できる得点を取るために実戦力を磨き、心身ともにコンディションを整えていこう。入試にとって、「体調不良」と「緊張」が大きな敵になる。受験生の当面の目標は志望校合格だけれど、入試が終わったら、すぐに新しい目標を持とう。入試は一つの通過点にすぎないのだ。
受験生以外は、通知表をしっかりと分析して、3学期の目標を立てよう。現在の通知表は、自分の努力で改善することができる。だれかが「5」をとったから、わたしは「5」をとれない、というような評価方法ではない。わたしが目標を聞かれたら、すべての教科で「4」「5」が目標になる。
今回の通知表や成績は、すでに過去だから、分析して、納得したり、反省したりしたら、3学期や新学年に目を向けよう。人は未来に向かって進んでいく。未来に必要なのは、君の目標だ。
現在の学力や成績で目標を制限する必要はない。目標を小さく制限すると、君の成長も制限されてしまう。
君は目標に向かって成長するのだから、勇気をもって大きな目標を持とう!
山手学院 学院長 筒井 保明