やらなければ、学べない。
One learns only by doing.
学習は、入力と出力のくりかえしだ。五感を通じて入力された情報を、口や手や身体を使って、筋肉の運動として出力しないかぎり、君はなにも学べない。たとえば、授業中、教師が一生懸命に説明していたとしても、君の目や耳が窓の向こうの出来事に集中していたり、君の手や口が机の下に隠したお弁当を食べていたりしたら、君は教師がなにを言っていたか、すこしも覚えていないだろう。なぜなら、君は、教師からの情報を、入力も出力もしていないからだ。
さて、現在、小学生の通知表と中学生の通知表の評価方法はおなじになっている。最初に重要なのは、各教科の3段目の「主体的に取り組む態度」の項目だ。いいかえれば、その教科に対する参加の度合いであり、参加の度合いは、入力と出力の度合いによって評価される。
かりに、君が一生懸命に教師の説明を聞いていたとしても、君のノートになにも書かれていなかったら、君はなにも出力していない。また、教師に指名されて、君がなにも答えなかったら、君はなにも出力していない。「主体的に取り組む態度」の評価も、テストや提出物とおなじように、君の出力によって決定するのだ。
だから、君の目が教師を見つめ、君の耳が教師の説明を聞き、君の手がしっかりとノートをとり、君の口が積極的に発言するなら、3段目の評価は、かならず「よくできる」あるいは「A」になる。そして、その教科に対する参加の度合いが高ければ、テストの結果も提出物の出来上がりも、比例して、よくなるだろう。中学生であれば、通知表評定は、「5」あるいは「4」になるはずだ。
学校の学習は、各教科に対する参加の度合い(主体的に取り組む態度)が重要であり、それは君の出力に対する評価であるから、「まじめに聞いている」態度だけでは足りない。ノートをとり、発言し、積極的に授業に参加する必要がある。
おなじことが、自主学習にもいえる。その教科に対する参加の度合いが、強い臨場感をつくる。強い臨場感があれば、その教科(学習)は、しっかりと脳に書き込まれる。また、声に出したり、手で書いたり、問題を解いたりしていれば、入力と出力がくりかえされるから、さらに学習が強化される。
学習が終わって、学習の記憶を壊すような娯楽や誘惑(スマホやテレビやゲーム)を避け、リラックスして眠ることができれば、ほぼ完ぺきだ。朝、起きたとき、昨日の学習をふりかえってみれば、しっかりと定着していることが実感できるだろう。
ある校舎の新年度説明会のあいさつで、上記のような話をした。そして、「どうしてもできるようにならない。どうしても成績が上がらない。どうしても学習の悩みが解決しないときは、室長や、わたしに、気軽に相談してください。生活習慣や学習方法を工夫すれば、かならず、できるようになる」と付け加えた。
わたしとしては、山手学院の全生徒に「かならず、できるようになる」といいたい。もし、君が、どうしても学習の悩みを解決できないなら、直接、あるいは、教室を通して、わたしに相談してほしい。
学習を苦手なままにしておいたのでは、君の力があまりにもったいない!
新学年における君の飛躍を強く願っている。
山手学院 学院長 筒井 保明