君のゴール

Your Goal

 中学入試、高校入試、大学入試が終わっても、君にとって、それは人生のゴールの通過点でしかない。もちろん、志望校に合格したなら、うれしいだろうし、不合格なら、悔しいだろう。君の取り組みを見ているわたしだって、君とおなじ気持ちを味わうことになる。
 うれしくても、悔しくても、進学することになった学校は、君にとって、新しくスタートを切る場所なのだ。ぜひ積極的な態度で、さまざまなことに取り組んでもらいたい。
 今回は、大学入学共通テストの現場を見てきたので、小学生・中学生にはずいぶん先のことのようだけれど、すこし状況を説明してみよう。
 1 月 13 日(土)の 1 日目は、どの会場も 9 時半にテスト開始。中学受験・高校受験と異なるのは、地理・歴史・公民のうち、2 科目を受験する生徒たちだけが 9 時半開始で、1 科目の生徒たちは 10 時 40 分開始。したがって、朝の開門のときに全員が集合するわけではない。
 それでも、試験会場には余裕をもって行くのが鉄則だから、開門時間には多くの生徒たちがやってきた。会場は高校ごとの割り振りであり、試験会場の守衛さんたちや高校の先生たちが待機していて、生徒たちを出迎えていた。おなじ学校の同級生が多いはずなのだけれど、はしゃぐこともなく、みんな緊張の面持ちだ。1 日目は、大学入学共通テストを利用する国立大学と私立大学を志望する生徒たち全員が集まってくるので、受験者数もかなりの人数になる。大学入試センターの発表では、全国で 49 万 1,913 人。
 試験会場の待機場所では、早く来た生徒たちが黙々と学習を続けていた。おしゃべりをするような生徒はほとんどいない。わたしは、全員が健闘することを祈った。
 1 月 14 日(日)の 2 日目は、理科・数学なので、受験生がグンと減った。守衛さんも一人、二人、高校の先生たちも減り、生徒たちもまばらにやってくる。この試験会場では、国立大学や理数学部を目指す生徒たちが少ないからだろう。そういっても、待機場所での雰囲気は、前日とかわらず、ほとんどの生徒たちが教室への移動時間まで学習を続けていた。
 さて、翌週、大学入学共通テストの解答が公表され、受験生たちは自己採点。それと同時に、データネットなどを使って、合格可能性判定基準をチェック。得点や得点率で、A 判定、B 判定、C 判定、D 判定、E 判定に分かれる。わたしは、山手学院高校部の生徒たちの自己採点結果を見た。個々の得点や得点率ではなく、あくまで志望校に対する判定に注目することになる。当然、生徒たち自身、高校の先生方も、志望校に対する判定に注目して、安心したり、不安になったりする。そして、その状況によって、高校でも、山手学院高校部でも、面談が行われる。
 山手学院高校部の村元室長の説明によれば、仮に D 判定や E 判定だからといって、その判定がどのくらいの厳しさを表しているのかは、もっと詳細なデータを見なければわからない。さらに 2 次試験を突破できるかどうかは、数字に表れない学力(教えているときの生徒の出来具合やこれまでの成績の分析など)を加味しないと、大学入学共通テストの結果だけでは判断できない、という。事実として、これまでの入試において、A 判定でも不合格者はいるし、D 判定や E 判定でも合格者はいるのだ。大学入試(一般受験)のもっと厳しい勝負はこれからである。
 中学 3 年生は、高校入試が終了したら、ぜひ山手学院の高校準備講座を受講してほしい。なぜなら、新高1の一学期から、学校推薦型選抜をはじめとして、実質的に大学入試が始まるからだ。
 君のゴールは、まだまだ、ずっと先にある。

山手学院 学院長 筒井 保明