君のエネルギーは無限である。
Your Energy is Limitless.
エネルギーとはなにか。
定義をすると、「働きを成しうる能力」のことである。
エネルギーの分類は、力学的エネルギー、熱、光、化学、電気、原子核などになるが、いずれにせよ、なんらかの形で働く力である。
働きが表れていない状態のエネルギーを位置エネルギーと呼ぶ。学習が手につかず、ぼんやりした状態にあるとしても、じっとしている君は、もしかしたら位置エネルギーを蓄えているのかもしれない。位置エネルギーの例としては、高所に蓄えられたダムの水、強く引かれた弓の弦や輪ゴム、滑り台の上で待機する子どもたち、木の上で蔓を握ったターザン、崖の上に積もった雪…どれも、ある瞬間がきたら、運動エネルギーに変わる。この例は、力学的エネルギーであるけれど、光のエネルギー(放射エネルギー)は緑色の植物を育てるし、化学エネルギーは石油やガスを熱に変え物を動かすし、電気エネルギーや原子核エネルギーは現代文明をつくっているといえるだろう。
もちろん、自然界には、太陽光、風、竜巻、瀧、海流、噴火、温泉、稲妻、地震…
わたしたちの世界は、エネルギーに満ち溢れている。
さて、いうまでもなく、君は、エネルギー、つまり「働きを成しうる能力」を持っている。まさか、ぼくはなにもできないよ、とか、わたしは働けないわ、という人は誰もいないだろう。なぜなら、君は食事をし、食事がエネルギーに変わる以上、働かざるを得ないからだ。「働かざる者、食うべからず」という言い回しがあるけれど、エネルギーの観点からいえば、「食したる者、働かざるを得ず」が正確な表現であろう。
もし、勉強をさぼっている君が、お母さんから「勉強しないなら、ご飯抜きよ」と叱られたとしたら、君は反抗せずに黙って机に向かい、お腹が鳴ったタイミングで、「お母さん、お腹がペコペコだ。エネルギーを補給しないと、これ以上、勉強できない。だから、ご飯にしてよ」といえばよい。大人は、筋が通っていれば、必ずわかってくれるものだ。エネルギー源のないところから、エネルギーは生まれない。
食事を終えた君は、「食したる者、働かざるを得ず」で、ふたたび、机に向かうことになる。ただし、食べ過ぎていると、血液は胃腸に向かっているので、頭がよく働かない。だから、学習者は、食べ過ぎてはいけないのだ。
明治・大正時代の学習の秘訣に、
① 食を細くする。(頭が回らないから) ※現代であれば、消化の良いものを食べる。
② 新聞を読まない。(記憶力が衰えるから) ※現代であれば、テレビを見ない。
③ 教科書をくりかえし読んで寝てしまう。(よく記憶できるから) ※神経科学として正しい。
というのがある。とても理にかなった方法で、テスト勉強、受験勉強にピッタリだ。
最後に、君のエネルギーを最大限に引き出す方法を教えよう。
目標をできるだけ高くすること!
受験でも、スポーツでも、芸術でも、習い事でも、同じだ。目標を高くすることは、位置エネルギーを大きくすることにつながる。高い目標であればあるほど、君の位置エネルギーが増える。そして、君が本気になれば、その位置エネルギーが運動エネルギーに変わるのだ。
学院長 筒井保明