大学入試でかけ算の速さが役立つ!
小学生のみなさんにとって、大学入試はまだまだ先のことですが、そろばんや珠算式暗算に真剣に取り組んでおきますと、大学受験生になったとき、大きなアドバンテージを得ることができます。
山手学院高校部の生徒たちは、東大や京大をはじめとする国公立大学や私立難関大学を目指しています。化学の授業のとき、1⃣のような問題を解く場合、「時間が足りなかったら問4はあきらめるしかないだろう」という前提で、生徒たちに問題を解かせたところ、多くの生徒が時間切れになるなかで、3人の生徒が時間内にスッと終えたので、S先生は驚きました。
S先生の指導経験では、3ケタの数字のかけ算が入りますと、ほとんどの生徒の計算速度が落ち、時間切れになってしまうはずでした。
3人の生徒に「すごいなあ。どうしてそんなに速く計算できるんだ?」と聞きますと、
「珠算式暗算で計算しているんです」
3人ともおなじ返事でした。
みなさんも大学受験で化学を選択した場合には、1⃣のような問題を解くようになります。化学の計算の問題では、ともかく「かけ算が速いこと」が要求されます。かけ算でもたついていますと、あっという間に時間切れになり、合格点がとれなくなってしまいます。
ですから、かけ算が遅い生徒にとっては、時間がかかる計算問題はあきらめるしかありません。
ところが、珠算で鍛えられた3人にとっては、こんな計算問題など、お手のものです。S先生自身、計算は速いほうですが、この3人の速度には歯が立ちません。「そろばん、恐るべし」とS先生はいっています。ちなみに、問4の解き方は、つぎのようになります。
中学受験でも、高校受験でも、大学受験でも、計算を伴う入試問題に対する大きな課題は、計算速度です。なぜなら、入試には制限時間がありますから、計算が遅ければあきらかに不利になります。逆に、速くて正確な計算ができるならば、大きなアドバンテージになります。
この化学の問題を楽々と解く3人の高校生にとっては、むしろ計算で苦労している人たちのほうが不思議に見えるでしょう。計算は速ければ楽ですし、遅ければ苦痛です。
いま、そろばんや珠算式暗算に取り組んでいるみなさんは、ぜひ楽しく学習してください。算数も数学も計算が楽になれば、きっと楽しい教科になります。
学院長 筒井保明